目次
卒業生プロフィール
宮澤蔵人様不動産事業会社 代表取締役
Q.MBAを取得しようと思った理由
私がMBAを目指したきっかけは、事業の難易度が上がる中で感じた経営者としての危機感と、自分自身をもう一段成長させたいという思いでした。創業後、事業は時代とともに次のフェーズへと移行してきました。これまでは現場での突破力や馬力を軸に課題へ対応してきましたが、扱う案件の規模が大きくなるにつれ、事業の難易度も上がっていきました。たとえば不動産M&Aに取り組んだり、投資対象を広げたりと新しい領域への挑戦が増えていく中で、これまでの成功体験がそのままでは通用しにくいと感じるようになりました。
特にM&Aは、企業の財務内容や無形資産の評価、法的な論点など多岐にわたる要素が絡みますし、買収後の組織統合、いわゆるPMIにおいては、メンタル面へのアプローチのような精神的な要素も欠かせません。総合的な能力が求められる場面が増える中で、自分自身の判断のよりどころを振り返ってみると、これまでの経営判断は、仕事を通じて集めてきた知識や過去の成功パターンを、経営者としての「直感」というかたちで組み合わせたものであり、必ずしも再現性の高いものではないと気づきました。今後は直感に頼る部分を減らし、理論に裏付けられた判断ができる経営者でありたいと考えています。
理論的に説明できなければ、メンバーも納得感を持てず、組織として本来の力を発揮しきれないのではないかとも感じていました。財務やマーケティング、ヒューマンリソースマネジメント、そしてリーダーシップといった領域を体系的に学びたいという思いが、MBA取得を目指すきっかけになりました。
Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由
1つ目は、UWTSD自体が伝統と信頼のある、アカデミックな質の高さを備えていることです。歴史あるイギリスの国立大学であり、イギリスの教育水準を満たすシステムに則っていることから、今だけでなく将来にわたって学びの質が確保されるMBAだと感じ、選びました。
個人的な話をすると、以前コンサルティングファームに所属していた頃、上司や同僚にイギリスやアメリカのMBAホルダーが多く、彼らが自信を持って自分の考えを語る姿を見て、「MBAを取るとこうなれるのか」と、当時から漠然とした憧れを抱いていました。また、将来経歴を説明する際、海外のMBAホルダーであることは相手からの信頼度にもつながると考えましたし、もっとプライベートな面で言うと、子どもがいる身として、父親が海外のMBAを取得していれば、将来子どもが海外留学や進学を考える際に前向きに捉えてもらえるかもしれない、とも思いました。
2つ目は、実務に活用できることです。UWTSDのカリキュラムでは、受講生が現在所属する会社や自身が経営する事業をケーススタディの対象にできるという特徴があります。実際の授業を通じて講師や他の受講生から意見やアイデアをもらえる点は、非常に実務に活かせると感じました。
3つ目は、仕事をしながらきちんと受講できる環境が整っていることです。仕事を続けながらMBA取得を目指すつもりだったため、海外への留学や平日の通学という選択肢は現実的ではありませんでした。その点、UWTSDはオンラインプログラムがしっかりと整備されており、出張先からでも授業を受けられるのが魅力でした。
実際、基本的には自宅で受講していましたが、休日に仕事が入る際は職場から、出張の際にはホテルなど、さまざまな場所で受講しながら、結果としてほとんど欠席することなく卒業することができました。
アカデミックな質の高さ、実務への活用、そして仕事をしながら受講できる環境という3つの基準で、UWTSDを選びました。
Q.実際の講義の感想
具体的な科目というより全般的な感想になりますが、どの講義を受けても、本当にビジネスに活用できる「生きた知識」を得ることができると感じました。受講している方々は、決して少なくない金額と2年間という時間、そして頑張ろうというメンタル的なエネルギーをMBAに注いでいるだけあって、皆さん本当に真剣です。そうした真剣な仲間とのディスカッションの中で、自分のこれまでの考え方やビジネスへの常識とは異なる意見、時には正反対の発想に触れられたことは、大きな学びになりました。
ディスカッションでは、始めは心の中で「それは違うのではないか」という自己防衛のような気持ちがふと湧くこともありました。ですが、それを繰り返すうちに、自分の正解を一旦横に置いて、「その人の考えに乗ってみれば、言われていることも正しいのかもしれない」という前提で聞けるようになり、自分の思考の視野がとても広がっていくのを感じました。授業内のディスカッションや、科目ごとに設けられたグループワークを通じて、そうした力を培うことができたと思っています。画面越しの講義だけでなく、グループワークも含めた講義全体を通じて、生きた知識を得られたのではないかと感じています。
Q.入学前にもっていたイメージと入学後のギャップ
良かった面で言うと、想像していた以上にオンライン授業が快適だったことです。不動産の業界はオンライン化が遅れている関係から、私自身、業務でオンラインをほとんど活用していませんでした。「リアルエステート」というくらい現場を重視する業界のため、なおさらそう感じていたのですが、そんな中でも授業は非常に快適でした。それはおそらく、講師の方々の努力によるところが大きいと思います。オンラインを前提としたディスカッションやワークの進め方を取り入れてくださり、オンラインでありながら参加型の授業をうまく実現されていたと感じています。もう1つは、想像していた以上にMBAには時間をかける必要があったということです。その時間の中で多くのことを考え、得るものも大きかったのですが、当初想定していた以上に大変だったのが、特にグループワークでした。通常の授業は土曜日が中心で、たまに日曜日がある程度ですが、グループワークはそれとは別に時間を確保する必要があります。これは科目によって異なり、すべての科目にあるわけではありません。
私が受講した科目ではグループワークのための時間を別途設ける必要があり、平日の早朝や深夜、あるいは休日に、仕事の合間を縫ってグループで集まる時間を作っていました。当然、集まる前には事前の準備も必要で、知識を習得するための準備もあれば、成果物を作ってメンバーに見てもらうための準備もあります。こうした時間については、入学前にはあまりイメージできていなかった部分でした。
Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法
もともと試験前に一気に勉強時間を確保する、いわゆる一夜漬け型の性格だったこともあり、そのぶん大変さを感じる場面もありました。改めて振り返ると、忙しい時期とそうでない時期を平均すると、1日あたり1〜2時間程度でしょうか。大変な科目のときはグループワークも含めてその時間の中でやりくりしていました。
前半の1年半にあたる科目集中期と、後半の論文執筆期とでは、時間の使い方も大きく変わります。論文期には通常の授業自体がなくなるためです。2年間は半期ごとに4つの期間に分かれますが、体感としては最後の半期にあたる修士論文が一番大変でした。私自身、仕事上、論文にあまり馴染みがなかったことも一因だと思います。
修士論文の提出期限は、入学時期によって決まります。私の場合は3月末が期限でしたが、不動産業は例年3月が繁忙期にあたるため、先生にお願いして2月末までに終える計画を立てて取り組みました。結果として、2月14日に第1稿を書き上げることができ、そこからさらに2週間ほどブラッシュアップして完成に至りました。1日3時間ほど集中して取り組んだ時期もあり、それなりに大変ではありましたが、テーマ決定が少し遅れたことも要因の一つだったと感じています。もう少し早くテーマが定まっていれば、もっとスムーズに進められたかもしれません。
Q.MBAプログラムで得たことや成果
MBAの学びを通じて得られたのは、意思決定の速さと自信だと感じています。MBA取得前は、コンサル時代の知識や経験を頼りに、いわば「点」の知識で対応してきたところがありました。それが、体系立ててMBAで学んだことで、バラバラだった点の知識が「面」になり、さらには知識と知識の相互関係が「立体的」にわかるようになってきたと感じています。
新しいプロジェクトに取り組む際も、「これは利益が発生するから」「なんとなくシナジーがありそうだから」といった感覚を、横のつながりを意識することでより確かなものにできるようになりました。スタッフに対しても、感覚的にではなく、「AがBだからこうした方がいい」「結果Cを目指して進めよう」「Cに届かなくてもDになるから大丈夫」というように、論理立てて説明できるようになったと感じています。ぶれない自信と、知識に裏付けられた判断力が身についたと思っています。
Q.MBAプログラムで困難だったこと
苦労した点は大きく2つありました。1つ目は、入学直後の授業スピードに慣れることです。通常の学校であれば、新入生に合わせて徐々にスピードが上がっていくものだと思いますが、実際にはフルスピードでスタートするという状況でした。半期ごとに3期の学生が同時に在籍しているため、私が新入生として入学したとき、すでに2年生・3年生にあたる先輩方が同じ授業を受けている状態だったためです。大変というよりは、最初の驚きに近い感覚でした。これから入学するにあたって、最初から授業がフルスピードで進むものだという心構えで臨んでいただくと、驚くことなくスタートできるのではないかと思います。
2つ目は、情報収集の仕方です。事務局の説明は非常に丁寧にしていただけるのですが、受講生本人の悩みや苦労のようなことは、やはり学生同士が持っている情報だと感じました。最初に組まれたグループだけでは得られる情報に限りがあると感じ、そこで同期に紹介してもらい、他のグループにも入れてもらいました。それによって、課題への取り組み方など、学生生活の「情報」を先輩方から教えていただくことができました。
その苦労があったからこそ、本来は関わることのなかったグループの先輩方と親しくなることができ、卒業した今でも連絡を取り合う良い関係が続いています。苦労した分だけマイナスというわけではなく、そこにはプラスの側面も確かにあると感じています。
MBA取得を検討している方へのメッセージ
MBA取得を検討されている方へは、まずご自身にとってのメリット・デメリットを明確にされることをおすすめします。参考までに、私自身が感じたメリット・デメリットをお伝えします。メリットとしては、まず経営に関する理論的な知識を体系的に習得できること。次に、MBAという学歴・資格を得られること。3つ目は、海外大学院の学歴を得られること。4つ目は、日常では出会うことのない方々と出会い、友人になれることです。そして私自身にとっての5つ目は、過去の修士論文へのトラウマを解消できたことです。私は以前、大学の修士課程で博士課程への進学を断念した経験があり、その時、修士論文への取り組みに気持ちが乗らず、なんとか無理をして仕上げていたという苦い思い出がありました。今回、前向きな気持ちで論文を書き上げることができ、そのトラウマを解消することができました。
一方でデメリットとしては、まず2年間という長い時間と、メンタル・気持ちのエネルギーを注ぎ込む必要があること。次に、決して少なくない学費がかかること。そして、家族の理解を得る必要があることです。
ただ、MBAを検討されていて、お忙しい中こうして説明会にご参加いただいているということは、少なからず興味・関心をお持ちなのだと思います。MBAを通じて、知識と自信は間違いなく得られると思います。知識・資格(学歴)・自信を得られるのであれば、早めに得た方が良いのではないでしょうか。2年後にMBAを取得している人生と、10年後にようやく取得する人生とでは、人生の豊かさという意味で大きく変わってくると思います。もし人生の最後に「MBAに挑戦しておけばよかった」と後悔しそうだと思うのであれば、勇気を持って一歩を踏み出してみることをおすすめします。一度きりの人生ですから、後悔のない選択をしていただきたいです。もちろん、進まないという選択をされて後悔がないのであれば、それも良いと思います。あくまで、最終的に、自分の意思でMBAに進まれるかどうかを決断することが大事だと考えます。