2024年11年16日(土)開催 卒業生説明会レポート
Meiji Seika ファルマ株式会社 未来価値創成室で活躍されている卒業生に『学びが即実務に活かせる』MBAの学びについてお話を伺いました。説明会の一部内容をご紹介します。
目次
卒業生プロフィール

青木研作 様
<略歴>
2007年 Meiji Seika ファルマ株式会社 営業本部
2014年 同社 臨床開発推進部
2020年 同社 デジタル推進室
2021年 同社 DX推進室
2024年 同社 未来価値創成室
2024年 本MBAプログラムを修了 MBA取得
■MBAで執筆した論文■
「推し活が労働生産性に与える影響」
Q.MBAを取得しようと思った理由
私がMBA取得を目指したきっかけは、2020年頃のとある先輩からの一言でした。新卒で入社してから、営業職からスタートし、開発部門、企画部門(デジタル推進室)と異動を重ね、現在は新規事業を担当しています。 そんな中、とある先輩から「MBAで勉強してみたら」と勧められ、もともと勉強好きだったこともあり、MBA取得を決意しました。実は面白いことに、アドバイスをくれた先輩がMBAに詳しいなと思っていたら、過去に自身もMBAの取得を目指していたことを後で知りました。 先輩からの実務的なアドバイスもあり、業務との両立が可能な環境で学習を進めることができました。先輩が後押ししてくれたおかげで、学習時間の確保などにも配慮をいただけました。今でも本当に感謝しています。
Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由
UWTSDを選んだ一番の理由は、論文を書く機会があることでした。入学前、私は文章を書くことがあまり得意ではありませんでした。その不得意を克服したいという思いが強くありました。 なぜそこにこだわったかというと、会社での経験が大きく影響しています。新規事業を提案する際、ただ案を出すだけでは企画書も読んでもらえません。なぜその提案が必要なのか、どういう意味があるのか、論理的に説明し、それを文章として表現する能力が不可欠だと感じていました。 実際に入学してみると、論文だけでなく、授業のレポートでも論理的な文章力が求められました。各授業で、パラグラフライティングやクリティカルシンキングを意識しながら、常にトレーニングを積むことができました。2年間を通して、単に文章を書くだけでなく、論理的に考え、それを分かりやすく表現する技術を培うことができたと実感しています。
Q.講義の感想
授業を通じて得られた学びは、想像以上に有意義なものでした。実は今でも「もう一度受けたい」と思える授業がいくつもあります。社会人として経験を積んでから大学で学ぶことの価値を、本当に実感しました。 特に印象に残っている科目は、ストラテジック(戦略)とファイナンスです。ストラテジックの授業は、教え方の対比が面白かったです。綺麗にクリティカルに教えてくれる先生と、一見ぐちゃぐちゃに感じるけれど深い洞察のある教え方をする先生と、両端の先生がいらっしゃって、その違いも含めて非常に刺激的でした。 ファイナンスは、本当に素晴らしい授業でした。「うちの会社の人全員に受けてほしい」とまで思えるほどです。総合格闘技のような、これぞMBAという内容で、特に鍛えられる授業でした。
Q.入学前にもっていたイメージと入学後のギャップ
プログラムはアカデミックな内容で、最近流行りの用語や、デジタルといったトレンドワードはあまり出てきません。その代わり、おそらく何年、何十年経っても変わることのない経営学の基本的な考え方や理論に立脚して、授業が構成されていました。経営のトレンドや最新情報は、日々の業務やネットで得られますが、その背景にある本質的な考え方や理論は、このような体系的な学びの場でないと身につけることは難しいと感じます。 学校選びの際、私自身はこういった点をあまり比較検討していませんでしたが、今思えばこれは重要なポイントだったと感じています。最新のトレンドを期待して入学すると、少しギャップを感じるかもしれません。しかし、経営学の本質をじっくりと学びたい人にとっては、このアカデミックな特徴はむしろ大きな魅力となるはずです。
Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法
私の場合、入学当時、8歳と4歳の子どもがいたため、学習時間の確保には工夫が必要でした。 基本的に朝4時、調子がいい時は3時に起きて勉強をしていました。この時間帯なら家族も寝ていて静かですし、仕事前の頭の冴えた状態で2時間から2時間半ほど集中して学習することができました。 その代わり家族がいるので土日は講義時間外は家族の時間に充てました。また、通勤時間も有効活用しました。電車で1時間ほどの通勤時間があったので、その間に課題をチラチラとやったりしていました。先生方も、オンラインで完結できる形で課題を出してくださるので、通勤時間を無駄にすることなく活用できました。
Q.MBAプログラムで得たことや困難
私がMBAプログラムで得たものは、大きく3つあります。 1つ目は、論理的に考える力です。このプログラムを通じて、「勉強とは結局、物事を分解することなのだ」という重要な気づきを得ました。例えば、MBAプログラム自体も、3つのセメスターと1つの修士論文に分解することができます。そして修士論文も、さらに細かな要素に分解していくことができる。このように物事を構造的に分解して考えられるようになったことは、私にとって大きな収穫でした。 2つ目は、論理的な記述力です。自分が主張したい内容を論理的に書き表す技術を身につけることができました。この力は、単に文章が書けるようになったということを超えて、人に教えられるレベルにまで成長できたと実感しています。実際、後輩たちのレポートや論文を見て、アドバイスをする機会も増えてきました。 3つ目は、かけがえのない仲間との出会いです。これは同期に限らず、先輩、後輩、そして先生方との出会いも含まれます。特に先生方との出会いは貴重で、プライベートでも交流が続いている方々もいらっしゃいます。 「困難だったこと」について考えてみると、正直なところ、特に思い当たるものがありません。むしろ、プログラム全体を通して本当に楽しかったというのが率直な感想です。
Q.ご卒業後にどのようなビジネスや活動に取り組まれたか
私は現在、新規事業の担当をしています。製薬企業の新規事業は、研究からスタートし、プロダクト開発、事業開発、営業活動という流れで進みますが、特に研究段階でMBAでの学びが大きく活きています。 最も大きな変化は研究手法に対する視野の広がりです。ライフサイエンス系の企業にいると、定量分析や数値データを重視する文化が強く、研究手法も比較的限定的でした。 しかし、MBAで経営学、特に私が取り組んだ心理学系の研究手法を学んだことで、定性分析、インタビュー調査、そのデータの概念化など、これまでとは全く異なる手法を学び、実践できるようになりました。 最初は社内で「青木は何を言っているんだ」という反応もありました。製薬企業は非常に厳密な研究手法を求める文化があり、心理学的なアプローチには懐疑的な目も向けられました。しかし、継続的に実践し、その有効性を示していくことで、次第に「なるほど、そういう考え方もあるんだね」という理解を得られるようになってきました。
Q.MBAプログラムでの縁からつながった仕事
MBAで知り合った仲間たちと始めたプロボノ活動では、企業のバリューアップやM&Aに関する活動を行っています。製薬企業では経験しづらいM&Aの実務を、外部で経験できる貴重な機会となっています。また、業務コンサルティングの仕事の相談をいただくこともあり、活動の幅が着実に広がっています。
MBA取得を検討している方へのメッセージ
本日は、休日の貴重な時間を使って説明会にご参加いただき、ありがとうございました。私からのメッセージは単純明快です。「このままぜひ応募してください」という一言に尽きます。 私自身、2年前は皆さんと同じように説明会に参加していました。MBAでの2年間は、本当に有意義な時間でした。勉強という行為を改めて捉え直す機会となり、貴重な経験となりました。論理的思考力や記述力を身につけ、かけがえのない仲間との出会いもありました。 仕事と学業の両立は簡単ではありません。しかし、その努力以上の価値のある学びと成長が待っています。