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コラム

MBA column

2024年6年10日(月)開催 卒業生説明会レポート



アーユルウェルネス株式会社代表取締役、アーユルヴェーダビューティカレッジ学長など、ウェルネス分野の起業で活躍する卒業生に『学びが即実務に活かせる』MBAの学びについてお話を伺いました。説明会の一部内容をご紹介します。

目次



卒業生プロフィール

新倉亜希 様
東京都出身。会社員を経て2006年に本場インドにてアーユルヴェーダヘルスコンサルタントの資格取得。 その後、専門学校やサロンを設立して自ら学長を務め、2018年にアーユルウェルネス株式会社として法人化。 沖縄のホテルなどとコラボして地産地消のメニュー提案。琉球大学非常勤講師も務める。 2024年1月には美ら海水族館から車で3分、ビーチまで徒歩3分の星空が広がるアーユルウェルネスリゾートOkinawaをオープン。 120坪の農園も併設され、「自分に目覚める場所」として心身のデトックスプログラムを提供。 アーユルヴェーダの第一人者としてご活躍中。2020年に本プログラムに入学。2023年に英国MBAを取得。卒業論文テーマ「ウェルネスツーリズムを通じて地域活性化につなげるイノベーション戦略」。

<経歴>
2005年 アーユルヴェーダビューティーカレッジ設立
2006年 アーユルヴェーダヘルスコンサルタントの資格取得
2016年 アーユルウェルネス協会設立
2018年 アーユルウェルネス株式会社設立
2018年 「夢を叶えるアーユルヴェーダ」出版(BABジャパン)
2020年 国立大学法人 琉球大学非常勤講師
2020年 ビジネススクール入学 (英国国立大学UWTSD MBAプログラム)
2022年 「アーユルヴェーダが変えた!トレーニングの常識」出版(BABジャパン)
2022年 インド医科大学「Sri Devaraj Urs Academy of Higher Education&Research INDIA」と事業提携
2023年 英国MBA取得
2024年 アーユルウェルネスリゾートOkinawa開業

Q.MBAを取得しようと思った理由

私は株式会社を経営して6年目になりますが、経営者としては19年間のキャリアがあります。その中で、経営学を教えるスクールも運営しています。このスクールでは、自分の経験値から教えていましたが、生徒に最短ルートでベストプラクティスを教えるためには、MBAで学ぶ経営の型や学びが必要だと感じていました。また、経営を教える立場として、MBAホルダーという肩書きは自分の自信にもつながると考え、受講を決意しました。

-経営学を教えるという立場でいらっしゃいますが、入学前後で教え方の変化はありましたか?
経験値から教えていた時は、人によってやり方が変わってしまっていました。しかし、MBAで学んだ経営の型に基づいて教えることで、より普遍的な方法論を提供できるようになりました。その結果、生徒さんもフランチャイズ展開までうまくいくなど、より良い結果が出るようになってきています。再現性が高くなったと感じます。

Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由

在校生のデータを見ると、医療製薬会社に勤めている方が多かったと思います。私自身がアーユルヴェーダという予防医学に携わっているため、同じ医療というフィールドで頑張っている方々とつながれることに魅力を感じました。また、修士論文に関しても過去の事例が豊富だということも魅力的でした。 他校も検討しましたが、修士論文がないスクールも多くありました。私は、履修と習得は異なると考えており、習得するためには修士論文を書いて形にすることが非常に重要だと思い、UWTSDを選びました。

Q.入学前にもっていたイメージとのギャップ

大学院は大学と異なり、自主性が非常に重要だと感じました。会社経営者として24時間365日働ける環境にある中で、自らタイムマネジメントを行い、講義では何を得たいのかを明確にして授業に参加していました。 授業は週末に行われましたが、私の場合は週末も仕事があったため、オンライン開催で授業の録画があることはありがたかったです。ただし、自主性がないと録画をなんとなく見るだけになってしまうので、履修と習得の違いを意識して取り組むことが重要だと感じました。

-単に単位を取るだけだともったいないので、目的意識を持つことが大切だと思います。 経営者とは立場が違う方もいらっしゃったと思いますが、周りの方も同じ熱量を持った方達でしたか?
授業はグループ分けされましたが、私のグループには経営者の方や医療分野の方もいました。 皆さんすごく熱心に勉強されていて、同じグループのメンバーとはオンライン上で自主的に集まって勉強したり、お互いに切磋琢磨していました。

Q.MBAでの学びを最大化するため、受講にあたって心がけていたこと

オールラウンドで全てを得意にすることは難しいと考えたので、経営者としてどうやってビジネスでマネタイズするかということを念頭に置いて授業を受けました。 そのため、履修用のノートと実務活用用のノート、2冊を用意していました。1つの授業が終わるたびに、実務のノートにビジネスプランを書き込んでいきました。 そうすることで、学んだことをすぐに具現化してマネタイズできました。このように、学びを積極的に取りに行くという姿勢で2冊のノートを用意することをお勧めします。

-この授業で学んだことをビジネスでマネタイズできている、という事例はありますか?
修士論文のテーマである「ウェルネスツーリズムを通じて地域活性化につなげるイノベーション戦略」を現在ビジネスで実践しています。大手企業では組織が大きいためイノベーションを起こそうとするとジレンマが生じやすく、なかなか動きがとれないことがあります。しかし、私の会社は規模が小さいので、大手が始める前に先行して様々なビジネスを展開できています。また、ファイナンスの分野も、以前は外部に任せがちでしたが、自分で理解する力がつきました。

-選択科目は迷われましたか?
選択科目はイノベーションか交渉でしたが、実務を考えた時に、交渉は弊社の営業に任せられると判断しました。私はアーユルヴェーダのフィールドで誰もやっていないビジネスモデルの構築をしたかったので、イノベーションを選択しました。

Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法

経営者として仕事をいつでもできる環境にありましたが、仕事を終えた後の夜に勉強しようとしても疲れ果ててしまいます。そこで、アーユルヴェーダの実践者として、毎朝4時に起きて、頭がクリアな早朝の時間に予習と復習をするようにしました。おかげで非常に良い習慣が身につきました。

Q.MBAでの学びが実務で活かされていると感じる部分

授業中に作ったビジネスモデルはすぐに活かしていますし、修士論文で立てた仮説も、実際にホテルを建設する際に他のリサーチ会社と協業しながら実証できています。池島先生にマンツーマンのような指導をしていただき、それが今の事業に活かされており、感謝しかありません。

-どのような仮説を立てられたのですか?
沖縄にホテルを建てる際、地域イノベーションの可能性を調査しました。沖縄の人達へのインタビューやアンケートをとって、統合データから、地域イノベーションの実現可能性を探り、専門家の意見を取り入れながら様々な仮説を立てました。実際に集落の中にホテルを建設し、地域の人々と連携してプロジェクトを進めています。例えば、地元の食材を使ったメニュー開発や、 シングルマザーの支援として無料で教育を提供し雇用につなげるなど、地域の雇用を伸ばす取り組みを行っています。これらの取り組みは、地域イノベーションのスモールモデルとして成功しつつあり、仮説の検証と実証が進んでいます。まだ進行中ではありますが、ある程度の成功例になりつつあります。

Q.卒業後にどのようなビジネスや活動に取り組まれているか、または今後取り組まれる予定

アーユルヴェーダは現代人に必要な予防医学で健康マネジメントの一つです。現在はBtoCのビジネスモデルで展開していますが、今後は企業の福利厚生など、様々な角度から東洋医学に取り組んでいただけるようなBtoBのビジネスモデルを拡大していきたいと考えています。さらに、海外展開も視野に入れ、沖縄を拠点にグローバルにビジネスを展開していく計画です。

これからMBAを目指す方へメッセージ

MBAの学位を取得することがゴールではなく、何を目指して授業を受けるのかを常に意識することが重要です。私自身も受講中に苦手な科目がありましたし、年齢的な制約もありました。 しかし、できないことを必死に伸ばそうとするよりも、自分がやりたいと思っている科目を確実に習得するというマインドが大切だと思います。また、人脈作りも非常に重要です。私も同期の方と協働する機会がありましたが、同期や他の仲間とのつながりは非常に貴重です。人脈作りの面でもMBAはおすすめです。

質疑応答

説明会参加者の方からご質問をいただき、新倉様のMBA経験からご回答をいただきました。一部ご紹介させていただきます。


Q.ビジネスと学びの並行に不安があります。時間確保に苦労された点や、どのように時間を確保しましたか?
A.MBAのプライオリティを上げることが重要です。先ほどお伝えした通り、4時に起きて、まずはThings to doをつけて2時間の中で集中して必ずやるようにしていました。 録画も活用しましたが、ただ見るだけじゃくて習得することが重要です。

Q.リゾート開業で一番大変だったことは何ですか?
A.アーユルヴェーダのサロンやスクールの経営経験はありましたが、リゾート事業は初めての挑戦でした。全てを外部に委託すると費用がかさむため、自分自身で全てを学ぶ姿勢で周囲に相談しながら開業までできました。 リゾート業界では今後コンテンツツーリズムが重要になると言われています。イノベーションの授業で学んだことを活かし、コンテンツツーリズムの要素を取り入れながら事業を進めました。新しい分野であるため、様々な人の意見を聞きながらの進行となりましたが、 比較的スムーズに進めることができました。

まとめ

MBAでの学びを最大化するためには、自主性と明確な目的意識が鍵となります。ビジネススクールは、ビジネスの実践力を鍛える場であり、そこで得た知識は即座にビジネスやキャリアへ応用できるでしょう。

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