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コラム

MBA column

2024年7年15日(月)開催 卒業生説明会レポート



人材育成総合コンサルティングを行うキャリアパースペクティブ株式会社 代表取締役兼CEOとして活躍する卒業生に『学びが即実務に活かせる』MBAの学びについてお話を伺いました。説明会の一部内容をご紹介します。

目次



卒業生プロフィール


吉田明子 様
大手メーカー人事部にて社員研修業務を担当。 その後、経産省系外郭団体にて産業技術の発展に尽力した先人の調査・教材開発に関わり、出産を機に退職。 14年の専業主婦期間にPTA役員や区の子育て専門委員会委員をはじめ地域活動にも携わる。 2019年5月に国家資格キャリアコンサルタントとして活動開始、高校や大学でキャリア教育を担当。 その後2021年6月に個人事業主として『Acco.キャリアブティック』設立。2020年MBAプログラム入学、2023年英国MBA取得。その後、2023年CareerPerspective株式会社を設立してジョブクラフティングを用いて企業の人材育成をサポート。

Q.MBAを取得しようと思った理由

直接のきっかけはコロナ禍でした。私は長年専業主婦でしたが、子どもが中学に上がるタイミングで仕事を始めようと思い、キャリアコンサルタントの資格を取得しました。その後、約1年間、高校や大学でキャリア教育の仕事をしていました。しかし、コロナ禍で学校が閉鎖され、外部講師の受け入れが停止。授業自体もなくなり、仕事が完全になくなってしまいました。時間ができたこともあり、以前から興味のあった大学院進学について調べ始めました。

キャリアコンサルタントのキャリアアップには心理学、教育学、経営学などが役立つ学問ですが、学会を覗いてみたところ、経営学が最も興味深く感じられ、経営学系の大学院を探し始めました。当初、MBAは視野に入れていませんでしたが、経営学を探す過程でMBAの実践的な側面に魅力を感じるようになり、最終的にMBA取得を目指すことにしました。

Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由

最終的には「営業文句に負けた」というのもあるかもしれません(笑)。イギリスでの卒業式に参加でき、角帽を投げられるというのはとても魅力的で、キラキラして見えました。「あそこに絶対行きたい!」と思い、それが最後の決め手になった気がします。
もともと少人数で学べる環境を希望していました。私が入学した時期はコロナ禍が始まったばかりで、最初はフルオンラインではありませんでしたが、結果的にすべてオンラインになりました。それでも少人数制は魅力的でした。
また、論文を書くことも魅力でした。アメリカのMBAでは論文なしで卒業できるところが多いようですが、私は論文を書いてみたいと思いました。
授業内容については、他校とあまり比較はしませんでしたが、アカデミックな授業を受けられ、非常にレベルが高かったと感じています。

Q.入学前にもっていたイメージとのギャップ

今ではオンライン授業が普及していますが、当時はWeb会議システムをあまり使ったことがない人も多く、オンライン授業にはギャップがありました。また、専業主婦の期間が長かったので、頭を使う習慣を取り戻すのに時間がかかりました。
ビジネス経験者が多く、飛び交う言葉がビジネス用語で何を言っているのか分からないこともありました。想像していたよりもビジネス寄りだったという印象があります。

Q.MBAでの学びを最大化するため、受講にあたって心がけていたこと

前向きに、全力で、すべてを吸収しようという意識がありました。皆さん熱心で、授業中のグループディスカッションでも手を抜くことはありませんでした。お互いに前向きに取り組むという雰囲気がありました。特にMBAは、そうしないと最後まで続かないと思います。

-出席率はどれくらいでしたか?
私は1回だけどうしても休まなければならず欠席しました。その時は、録画視聴をして取り返すことができました。ただ、やはり生で授業に参加しないとモチベーションが保てない面もありますし、決まった曜日・時間に勉強するという習慣を作らないと、講義のボリュームがあるので、あとで視聴すればいいやと思っているとついていけなくなってしまうと思います。

Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法

2年間は授業中心に考え、土日は勉強にあて、平日のスキマ時間に論文を読んだり資料を読んだりしていました。レポートを書いたり発表資料を作ったりするのにも時間がかかりますが、論文や資料を読むのにも時間がかかるので、その時間を確保するのが大変でした。

Q.MBAでの学びが実務で活かされていると感じる部分

まさに活かされている部分ばかりです。名刺にMBA取得を記載すると、第一印象が変わります。また、MBAの修士論文をもとに現在の人材育成サービスを創り上げています。

学友会やゼミの卒業生の集まりでは、半分近くが部長職以上の方々で、様々な方がビジネスパートナーになる可能性があります。このネットワークは非常に強力だと思います。

-卒業論文のテーマは何でしたか?
HRM(人的資源管理)の領域で書きたかったので、ジョブクラフティングという概念をテーマにしました。キャリアコンサルタントとして取り組みたいと考えていた研修やキャリアカウンセリング、セルフキャリアドックとジョブクラフティングの関係性について論じました。
現在、人材育成の仕事をしており、企業でセルフキャリアドックを実施する際にジョブクラフティングの概念を活用しています。ジョブクラフティングは自分の仕事の意味を明確にし、ワークアイデンティティを得る効果があります。結果として、従業員の会社に対するエンゲージメントが高まるという成果が得られています。

-論文は仕事に活かされていると感じますか?
はい、仕事に活かされていますし、人材育成学会での論文発表でも非常に良い反響をいただきました。
これまでの取り組みが良かったという確信が持て、多くの人が関心を持つテーマだったことがわかりました。自信を持って企業にサービスとして提供できています。
また、日本のジョブクラフティング研究の第一人者の先生と勉強会をさせていただいており、アカデミックな面でも今後も続けていきたいと考えています。

Q.卒業後にどのようなビジネスや活動に取り組まれているか、または今後取り組まれる予定

ジョブクラフティングの概念を企業に取り入れていただき、社会にもっと普及させていきたいと思っています。この概念を使って仕事の良い面を確認することで、安易な離職を防ぐことができると考えています。個人にとっても企業にとっても問題となっている安易な離職の課題に貢献できればと思っています。

これからMBAを目指す方へメッセージ

入学当初は不安もありましたが、前向きに、主体的に取り組む中でそういった不安は払拭されていきました。2年間で学ぶことは大変でしたが、得られるものも大きかったです。論文を書いて本当の学びの楽しさを体感できました。UWTSDの特徴として、ネットワークの質が高いことと、グループワークが多いことが挙げられます。例えば、リーダーシップの授業で5人のチームを組み、毎週夜にオンラインで集まって、ディスカッションを深夜まで続けたのは楽しい思い出です。みんなで卒業式にイギリスへ行く約束をして、実現できたときは達成感を感じました。楽しみながら学べる環境なので、MBAを検討中の方は、UWTSDもおすすめです。

質疑応答

説明会参加者の方からご質問をいただき、吉田様のMBA経験からご回答をいただきました。一部ご紹介させていただきます。


Q.学びの中で一番苦労した点とどのように乗り越えられましたか?
A.苦労した点は主に2つあります。1つは膨大な学習量に対する時間管理です。もう1つは、初学者として適切な資料の探し方がわからなかったことです。特にマーケティングやファイナンスなど、経験のない分野では苦労しました。これらの課題は、先輩に相談したり、同級生と協力したりして乗り越えました。

Q.1日1時間、週6-7時間という学習時間の目安について、実際の体験としてどう感じましたか?
A.個人の能力や学習方法によって異なると思います。効率的に学習できる人もいれば、私のように時間がかかる人もいます。私の場合、自分で手を動かした方が記憶に残るので、授業中にノートをとって、さらに授業で学んだ内容をノートにまとめていました。すべての隙間時間を使って学習する必要がありました。効率の良い人であれば、目安の時間で十分かもしれません。

Q.金融の科目が好きで学びたいのですが、多くの方がファイナンスを難しいと感じたそうです。事前の準備としてどのようなことをすればよいでしょうか?
A.アカウンティング(会計学)とファイナンス(金融)の2科目がありますが、アカウンティングは選択科目だったので私は選択をしませんでした。そのため、ファイナンスでは、会計の基礎知識がなく、最初は苦労しました。準備として、アカウンティングの基礎(※1)で学ぶといいと思います。
また、ファイナンスに限らず多くの科目で実際の企業を取り上げて学習するので、どのような業界や企業を扱いたいか事前に考えておくと良いでしょう。

※1.入学者が無料で受講できるオンデマンド講座です

まとめ

MBAで得られる実践的知識と幅広いネットワークは、実務に活かされます。MBAは単なる学位を超え、キャリアや人生を変革する強力な経験となるでしょう。

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