組織コンサルティングとキャリア支援を行うキャリアデザイン・インターナショナル株式会社の代表取締役として活躍されている卒業生卒業生に『学びが即実務に活かせる』MBAの学びについてお話を伺いました。説明会の一部内容をご紹介します。

目次
卒業生プロフィール

渡邉文子 様
キャリアデザイン・インターナショナル株式会社 代表取締役
日本CHRコンサルティング株式会社 健康経営推進事業部 参与
一般財団法人ポジティブキャリアデザイン協会代表理事
<略歴>
1998年 ハートギフト創業、株式会社ハートギフト設立
1998年 キャリアデザイン・インターナショナル株式会社 改組
2007年 本MBAプログラムにてMBA取得
2008年 日本CHRコンサルティング株式会社 代表取締役社長就任
2017年一般社団法人日本ポジティブキャリアデザイン協会設立
<論文>
・2007年『女性の社会進出とネットワーク経営をめぐる一考察』英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA修士号論文
・2008年『メンタルヘルスの観点からみたワーク・ライフ・バランスの一考察』第15回日本産業精神保健学会 共同発表
<書籍>
・2015年『ストレスチェック制度の狙いと課題』共著:日本生産性本部生産性労働情報センター
・2018年『めっちゃ知るだけ!こころとからだの幸せ法則』文芸社
<受賞>
・2002年 日経ウーマン・オブザイヤー(ネット部門8位)受賞
・2008年 日本テレワーク大賞(奨励賞)受賞
Q.MBAを取得しようと思った理由
1998年、Windows 95の時代にインターネットショップを立ち上げました。2人目の子どもが生まれたことをきっかけに、子育てと仕事の両立を目指して在宅での起業を選択しました。当時、ECサイトはまだ珍しく、私自身パソコンも苦手でした。しかし『これから流行るだろう』という思いと、『誕生日リマインド機能付きのギフトショップがあったら便利だ』という発想で始めました。2000年のITバブル期には上場の話も出るほど注目され、『主婦ベンチャー』として取材も受けました。
全国の在宅主婦をネットワークでつなぐ組織づくりは先進的で、2008年にはテレワーク大賞も受賞しました。しかし、ビジネスの知識がないまま始めてしまい、アイデアはあってもビジネスとして結果を出すことができませんでした。その失敗の理由を知りたいという思いから、MBAの取得を決意しました。
Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由
大阪校の第1期生として入学を決めました。卒業生の声はまだありませんでしたが、開拓精神のある好奇心旺盛な方々が多く集まっており、新しいプログラムとして魅力を感じました。当時はビジネススクールの選択肢も限られている中で、海外で通用するMBAが取得できる点が決め手になりました。英語で学ぶのではなく、日本語で講義が受けられるため、すぐに学習を始められることも魅力でした。
20代から60代まで幅広い年齢層の方が、学生という同じ立場で学んでいました。会社や業種の枠を超えた関係性ができ、様々な立場の方々との対話は大きな刺激になりました。
Q.講義の感想
グループワークの印象が特に強く残っています。勉強好きな方が集まる環境の中で、課題図書を読んで個人で考えるだけでなく、グループでのディスカッションや発表を通じて、様々な視点に触れることができました。また、海外のビジネススクールならではのディベートも経験できました。日本では当時、あまりディベートなどの機会は日本国内で少なかったかと思いますが、自分の意見とは異なる立場で議論を展開する必要があります。このような経験を通じて、論理的思考や戦略的な考え方が自然と身についていくことを実感しました。
人との交流を通じて学びを深めていく、そんな実践的な講義スタイルが印象的でした。
Q.入学前にもっていたイメージと入学後のギャップ
最初は、大学のような受動的な講義のイメージを持っていました。しかし実際は、互いの視野を広げ合う双方向の学びの場でした。他の資格試験では、専門知識を正確に身につけ、試験に合格することが目的となります。一方MBAでは、現場で活躍する講師や仲間の生の声から、理論と実践の両方を学ぶことができます。
マネジメントは時代とともに変化しますが、アカデミックな理論と現場での実践例の両方を学べる点が、通常の資格勉強とは大きく異なります。学んだことをすぐに仕事に活かせる、実践的な学びの場となりました。
Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法
仕事と育児とMBAでの勉強の3本立てでした。大変に聞こえるかもしれませんが、実は生活リズムを整えるタイムキーパーになってくれました。子どもたちが幼稚園に通っていて、送り迎えのバスの時間が決まっていましたから、その合間に近くのカフェで勉強したり本を読んだりしていました。平日はそんな感じで、土曜日は学校に行ってみんなで勉強して、日曜日は気晴らししながらも、基本的に復習をしていました。意外と大丈夫でした。シングルマザーという状況でしたが、両親が『頑張っているわね』と手伝ってくれて、そのサポートもありました。
Q.MBAプログラムで得たことや困難
卒業直後は、学んだことをすべて実践しようとして失敗しました。MBAの知識をそのまま使おうとしたのです。しかし、これが大きな気づきとなりました。MBA的な考え方は単なるツールではなく、自分なりにアレンジしていく必要がありました。最も大きな学びは、エビデンスベースの考え方です。思いつきや勢いだけで物事を進めるのではなく、なぜそうするのかを説明し、相手の納得を得ることの重要性を学びました。ケーススタディを通じて、様々な企業の事例を学び、自分なりの解決策を考え、他の学生の意見も聞くことで、より深い理解が得られました。
この学びを活かし、2008年にコンサルティング会社を設立しました。当初は財務会計を学ぶために入学しましたが、人的資本の重要性に気づき、メンタルヘルスや人材マネジメントの支援へと発展させました。偶然の出会いや様々なご縁もあり、障害者就労支援など、新しい分野へと事業を広げることができました。
Q.ご卒業後にどのようなビジネスや活動に取り組まれたか
MBAでの学びが特に活きているのは、行政機関向けの仕事です。エビデンスに基づいた企画書の作成が求められますが、MBAで学んだ考え方のおかげで、総合評価方式の入札案件も獲得できるようになりました。また、以前は意識していなかった戦略や分析が、今では専門分野となっています。現在は公認心理師の資格も取得し、職場のメンタルヘルスや働きがいの向上、適性診断など、人材に関わる幅広い支援を行っています。パーソナリティ分析を通じて、一人ひとりが働きがいのあるキャリアを築けるようサポートしています。
このように、MBAで得た知識やスキルは、想像以上に実務の様々な場面で活かされています。
MBA取得を検討している方へのメッセージ
新しい一歩を踏み出すことで、想像もしなかった可能性が開けてきます。知識や情報はもちろん、人との出会いが新たなチャンスを生み出してくれます。MBAでの学びは、在学中も楽しく、卒業後も様々な気づきがあります。特に『学び方を学ぶ』ということは、その後の人生においても大きな財産となります。『環境が整ってから』と待っていては、なかなか始められないものです。今、この時に新しいチャレンジとしてMBAを選択肢に加えてみていただきたいと思います。是非仲間になって、また交流会で皆さんにお会いできることを楽しみにしています。