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コラム

MBA column

2025年6年26日(木)開催 卒業生説明会レポート



技術とマネジメントの両面で経営的視点を求められる現代において、体系的な経営学の学びがいかに実務に活かせるかが注目されています。今回は、電気機械通信インフラ分野で20年のキャリアを持ち、現在は富士通Japanでシニアマネージャーとして活躍する32期卒業生に、『学びが即実務に活かせる』MBAの学びについてお話を伺いました。説明会の一部内容をご紹介します。

目次



卒業生プロフィール

榊田真也 様
富士通Japan株式会社社会ネットワークソリューション事業部シニアマネージャー
独立行政法人中小企業基盤整備機構アドバイザー
公益財団法人大阪産業局アドバイザー

電気・機械・通信インフラ分野における営業・技術・マネジメントを約20年経験。日立製作所・富士通にて、自治体・官公庁向けの水管理、防災、路・ダム監視システム等の提案・受注・プロジェクト推進を担当。AI・クラウドを活用したDX推進や国際PPPプロジェクト、技術提案型の受注実も多数。技術士(電気電子部門)資格・学術面も強みとし、実務と教育の両面で貢献できる総合力を目指し、新たな挑戦としてMBA取得に挑戦。

Q.MBAを取得しようと思った理由

ちょうど2020年というコロナ禍のタイミングが大きなきっかけでした。コロナ期間中にテレワークが普及し、オンラインで受講できる環境が整い、少し時間が作れる状況になったことで、MBAを取得しようと考えました。

もともと、DXという言葉も当時流行りだしていた中で、新規事業や新しい挑戦、領域拡大といった課題に直面していました。自分の専門分野での業務上の自己研鑽や調べ物はやっていましたが、体系だった経営知識がないと、自分の領域での経験値だけでは広がりや深みに限界があると感じていました。将来のキャリア形成を考えるとき、専門領域外からの学びの機会や、多分野の人との人脈作りが必要だと思っていました。そんな中、コロナ禍でもオンラインで双方向対面型のコミュニケーション機会が充実していたウェールズ大学のMBAプログラムに興味を持ちました。

Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由

まず、英国国立大学というブランドの魅力です。チャールズ国王(当時は皇太子)が総長を務めるという権威ある大学で、高い教育水準を誇る点に惹かれました。また、英国政府のQAA評価を受けたプログラムに準じた修士論文を書けることも大きな魅力でした。
講師陣についても、その道のプロフェッショナルで著名な方々が揃っており、学びの機会として非常に魅力的でした。いろいろなバックグラウンドの方々とネットワークを構築しながら論文に取り組み、ディスカッションの機会があることも、個人的に大きなメリットだと感じました。

Q.講義の感想

講義を受けて特に印象的だったのは、ひとつの科目を時間をかけてじっくり学習できる点でした。特に交渉論の授業では、2コマを通じて議論、ディスカッションをし尽くすという形で、オンラインにもかかわらず議論を深める仕掛けが非常に良かったと思います。
また、自分の期だけでなく前後の期の受講生とも一緒に授業を受けられたことも、非常に魅力的でした。私の場合、100名以上の方と授業を通して交流を持つことができました。授業以外でも、大阪には昔から続く受講生同士のつながりがあり、月1回、多い時には月2回ほどSNSで飲み会の案内をいただくこともありました。卒業前後も、継続して情報交換やフォローアップができる環境が整っていることは非常に良かったと感じています。

講義内容については、講師の方々がビジネスや経営者の視点からの知見を交えて講義をしてくださるため、実務に携わる者として、机上の空論ではない実践的な内容を学べたことは大変貴重でした。

Q.入学前後のギャップ

講義を受けて特に印象的だったのは、受講生の多様性と授業の質の高さでした。北は北海道から、中には海外赴任中の方まで、非常に幅広いバックグラウンドを持つ受講生がいた一方で、オンラインだけでなく実際に交流の機会があったのは良い意味でのギャップでした。

また、授業が予想以上に大変だったのも印象的です。これは悪いギャップというよりも、良いギャップだったと感じています。課題を怠れば当然ついていくのは困難になりますし、論文もただ書けば良いというわけではなく、フィードバックを重ねてようやく完成するものでした。しかし、努力した分だけ「血となり肉となる」という意味で、その大変さこそが良いギャップだったと実感しています。

特に記憶に残っているのは、最初に受講したファイナンスの授業です。担当の先生が豊富なキャリアを持つ方で、私は話を聞いているだけで興味深く、ハードルは高いものの非常に学びが多いと感じました。ただ、他の受講生からは「会計の知識がないと理解が難しい」という声もありました。

結果的に、「MBAとはこういうものだ」「わからなければ事前学習が必須だ」という認識が生まれ、受講生の間で自己学習の習慣や雰囲気が醸成されたのは個人的に非常に良かった点です。初めにファイナンスというハードな授業を受けたことで、アクセル全開で学習に取り組めたのは、良いスタートになったと感じています。

Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法

授業や課題を通して、学生同士で自発的に学習機会を作っていました。 具体的には、日曜日や水曜日の仕事終わりに「少し集まって勉強しませんか」と声をかけ、頻繁に集まっていました。

論文執筆の段階に入ってからは、まとまった時間を作る必要がありました。土日はできるだけ論文に集中していましたが、私の場合、平日にそうした時間を確保するのが難しかったため、皆さんと集まるサブゼミのような機会に集中的に取り組むことが多かったです。 基本的には土日中心の学習スタイルでした。

Q.MBAプログラムで得たことや困難

最も大きな成果は、業務課題のDX推進や、会社で求められるスキルセットの向上でした。改めて体系的に経営学を学ぶことで、自身のレベルを客観的に把握し、弱みや不足している部分を見つめ直す良い機会になったと感じています。

昨今、会社でもコンサルティング能力、すなわちアイデア創出、ビジネスモデルの構築、そして継続的な研鑽が求められていますが、MBAでの学びがこれらに直結していると実感しています。業務の棚卸しはもちろんのこと、自身のスキルセットを再評価する上でも、非常に有益な機会だったと言えるでしょう。

特に、部下育成やチームマネジメントの観点では大きな変化がありました。 これまでの私自身や先輩・上司からの指導は、「自分たちが若かった頃はこうだった」といった経験に基づく教えが主でした。しかし、MBAで学んだ理論を基に、より汎用的で時代が変わっても通用する普遍的なマネジメント手法を身につけることができました。

その結果、現在は客観的な理論に基づいた解説ができるようになり、年上の部下や世代間のギャップがある若手とも、共通言語でコミュニケーションを図れるようになりました。


Q.ご卒業後にどのようなビジネスや活動に取り組まれたか

卒業後、社外コンサルティングの仕事に就く機会が増えました。 また、現在開催されている万博での実証実験への参加など、自身のキャリアを見つめ直す機会も得られました。 MBAでの学びを通じて視野やアンテナが高まり、人脈も広がったことで、こうした仕事に触れる機会が増えたのは非常に良かったと感じています。

今後も、本業以外でも多様なネットワークやチャネルを広げていきたいと考えています。また、講師の方々の中には、ビジネスマンとして活躍しながら再び学問に戻り、博士課程を目指す方もいらっしゃったので、もし自分に時間的余裕ができれば、そうした活動にも挑戦してみたいと思っています。 現在も継続的に様々なセミナーに参加するなど、学びを続けています。

公的機関でのアドバイザー業務についても、現在複数の機関で活動しています。日本技術士会での活動をはじめ、技術士資格を通じたコンサルティングの相談や人材派遣の依頼なども受けるようになりました。 MBAの取得や中小企業診断士などの関連資格を持っていることで、コンサルティングやアドバイザーとしての機会をいただくことが多くなったと実感しています。友人やコネクションを通じて様々な案件を受けることもあり、MBAでの学びが実際のビジネス機会に繋がっていると強く感じています。


MBA取得を検討している方へのメッセージ

私の場合、コロナ禍という特殊な状況もあり、自分の働き方や日々の過ごし方を見直すきっかけがありました。そんな中で、オンラインでも高いレベルの授業とコミュニケーションが取れる仕組みが非常に充実していることを実感し、良い選択だったと思っています。
皆さんも実務の中で日々いろいろな課題解決に取り組まれていると思いますが、そんな中で業務の棚卸しや体系的な見直し、実務的なアプローチの学習を行う上で、MBAプログラムは非常に優れた機会だと感じています。

講師の方々の知見はもちろんですが、いろいろな業種の方がいらっしゃることも大きな魅力です。私の場合、医療関係の方が多かったのですが、普段なかなか接点のない業界の方々と触れ合いながら、汎用的で共通的な価値観やトレンドを学ぶことができました。
ぜひ、こうした機会を活用して、新たな学びと人脈を得ていただければと思います。個人的には、大阪での交流会などでお会いできる機会が増えれば非常に嬉しく思います。