今回は、ロボティクスベンチャー企業である株式会社Forcesteed Roboticsの代表取締役 COO&CFOとして活躍する卒業生に、『人事コンサルタントからロボティクス企業経営者へのキャリア転換』で得たMBAの学びについてお話を伺いました。説明会の一部内容をご紹介します。

目次
卒業生プロフィール

諸岡 亜貴子 様
株式会社Forcesteed Robotics 代表取締役 COO&CFO
Q.MBAを取得しようと思った理由
きっかけは、当時在籍していたベンチャー企業で取締役に就任する機会があったことです。それまで複数の従業員や株主を抱える企業の経営を経験したことがなかったので、経営者としての知識を体系的に学びたいと思い、MBA取得を決意しました。もちろん、有料セミナーで経営を勉強したり、先輩経営者の本を読んだりする選択肢もありました。しかし、そういった方法だと著者や登壇者の経験に基づいた内容がほとんどで、視点が偏ると思いました。より体系的で実践的な知識を身につけたいという思いが強かったので、MBAを通じて理論的な経営知識を学ぶだけでなく、実際のビジネスに活かせる多角的な視点を持ちたいと思いました。
Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由
UWTSDを選んだ最大の理由は、オンラインで受講できる点でした。当時、滋賀県で単身赴任をしており、週末も移動が多かったため、決まった場所に通学することは現実的ではありませんでした。場所に縛られず、どこにいても受講できるオンライン授業の仕組みが最大のポイントでした。移動の合間やホテルでも録画を見られたので、スキマ時間をうまく活用して学習することができました。Q.講義の感想
非常に満足しています。社会人が集まるので、皆さん得意分野が分かれていました。ある人にとってはファイナンスが分かりづらかったり、人事がとっつきづらかったり、あるいは自分の会社ですでに経験していることもあり、様々でした。私の場合は、人事や財務の経験が長かったので、それらの科目はスムーズに理解できました。一方、戦略やマーケティングは仕事で配属されない限り自分から進んで勉強する機会がないものだったので、新鮮でした。
財務に関しては非常に期待していました。基礎知識はあったものの、実際に経営経験のある先生方から、リアルな経営で活かせる財務について学べたのは非常に良かったです。
Q.入学前にもっていたイメージと入学後のギャップ
入学前は同期(33期、約20名)だけで2年間学ぶのかと思っていました。しかし実際には、半年ごとに入学する前後の期の方々とも授業を受けられることが分かり、面白い仕組みだと思いました。2年間で合計200人くらいの方々と授業を一緒に受けたり、ワーキンググループを組んだりしました。元々いろんな人と出会って話すことが好きだったので、刺激的な2年間でした。Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法
平日は仕事が終わった後になるので、週に2日くらい、夜に2時間程度課題をやったりレポートを書いたりしていました。週に6時間という平均より若干下回っていたかもしれません。土曜日は朝から夕方まで授業があり、科目によっては夜まで授業がある日もありました。土曜日は授業に専念し、日曜日は忘れないうちに2時間くらい復習して、その後休むというスケジュールでした。
選択科目で交渉論を選択しましたが、15回のうち5回くらいは模擬交渉があります。連続講義の方が効果的ということで、夜の時間帯にもありました。1日9時間くらいで、みんなヘトヘトになっていましたが、交渉論は楽しんでやっていました。
Q.MBAプログラムで得たことや困難
成果は大きく3つあります。一つ目は経営者として会社のかじ取りにMBAを活かせているという実感があることです。特に仕事で経験したことのなかったマーケティングなどの考え方が役立っています。
二つ目は自分で会社を立ち上げて初年度から順調に経営できていることです。MBAでしっかり学んでいなかったら、立ち上げ直後から株式でエクイティ調達などに走っていた可能性が高いですが、より戦略的な資金調達ができています。
三つ目は資料作成スキルが磨かれたことです。元々コンサルをやっていたので資料作成は得意でしたが、授業やプレゼンで毎週のようにレポートを作成する経験を通じて、相手に響く資料作成スキルが向上しました。
苦労したこととしては、課題レポートや論文執筆時に海外の論文を読む必要があり、英語力不足がネックになって作業効率が上がらない時期がありました。ただ、同じような悩みを持つ同期もいたので、情報交換をしながら乗り越えました。
Q.ご卒業後にどのようなビジネスや活動に取り組まれたか
この半年で自分の会社を立ち上げました。MBAで学んだ科目全てを活かして幅広くお仕事ができています。資料作成や論文で取り組んだ経験が事業企画やお客様への提案で活かされています。また最近、MBA取得して経営経験のある女性取締役が欲しい企業が多く、ある上場会社の社外取締役への打診もいただいています。
Q.MBAプログラムでの縁からつながった仕事
同期との関係では、例えば最近、補助金プログラムに会社がエントリーしたいと思った時、同じような分野にいる同期に相談したところ、すぐにアドバイスをもらえました。通常なら初対面では気軽に相談できない相手でも、同期という関係があったおかげでSNSですぐに連絡を取り、相談に乗ってもらえました。また、仕事でイギリス大使館を訪問した際に、たまたまウェールズ政府の方がいて、ウェールズの大学を卒業したと話したところ、ウェールズと日本の架け橋イベントに招待されるなど、MBAの繋がりが広がっています。
MBA取得を検討している方へのメッセージ
MBAを取得して良かったかについては、間違いなく取って良かったと思います。今もMBAでの経験や繋がりを活かして活躍していると実感でき、それが自信にもなっています。MBAは自分の可能性を広げる確かな資格だと実感しています。UWTSDを選んで良かったかについては、非常に良かったと思います。仕事が忙しく各地を飛び回っていた私にとって、完全通学のMBAは現実的ではありませんでした。UWTSDではオンラインで集中できる環境で受講でき、学習以外の要素を気にすることなく自分のスキル向上とMBA取得に全力を注ぐことができました。
MBAの取得は決して楽な道ではありませんが、だからこそ価値があります。この困難を乗り越えるだけの価値が必ずあると思いますので、皆さんもぜひ挑戦してみてください。いつかOB会でお会いできることを楽しみにしています。