今回は、人材、不動産、医療、商社など多様な業界での経験を持つ山崎 玲氏
(株式会社Leo Sophia Groupコーポレート部 副部長)に、業界を越えたキャリア構築とグローバルビジネス展開、組織改革の実践など、経験談をお伺いしました。説明会の一部内容をご紹介します。
(株式会社Leo Sophia Groupコーポレート部 副部長)に、業界を越えたキャリア構築とグローバルビジネス展開、組織改革の実践など、経験談をお伺いしました。説明会の一部内容をご紹介します。

目次
卒業生プロフィール
山崎玲 様株式会社Leo Sophia Group コーポレート部 副部長
大手人材会社に入社し市場開発に従事。米国大手不動産会社の日本支社立ち上げメンバーとしてフランチャイズ本部の設立を手がける。
医療ベンチャー企業の新規事業責任者を経て、専門商社にて通信販売部門、海外事業部門、営業本部の責任者を歴任。
並行して貿易会社を起業し、4カ国に拠点を広げ5年後に事業譲渡。2021年2月、事業会社にて新規事業の立ち上げを行い、 2022年1月、同企業のホールディングス化に伴い、持株会社のコーポレート部副部長に就任。
財務・管理会計体制、ガバナンス体制、SCM体制の構築に従事。多様な業界経験と起業経験を持ち、MBAで培った経営の統合的視点を活かして組織改革に取り組んでいる。
Q.MBAを取得しようと思った理由
MBAを取得しようと思った理由は大きく2点あります。1つ目は、現在の職場で、前提となる知識や基盤が全く異なる年下の方々や経営層に対していかに合理性を持って伝え、納得してもらうかに苦慮したためです。以前の職場では「だいたいこのようなものでしょう」という認識がある程度通用していましたが、平均年齢20代の前提の知識や地盤が全く異なる若者たちや、経歴の異なる経営層に対して、「一定の合理性をもってどのように伝えるか」、「納得してもらいやすいか」というアウトプットの軸足の強化行う必要性を強く感じました。
2つ目は、現在の職場でこれまでと異なる未経験のビジネス領域に進出し、さらに意思決定を行う際に思考の軸足が必要だと感じたためです。「何かしら理論に基づいて合理性を持って意思決定ができた方が良い」と考えるようになり、MBA取得を決意しました。
Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由
UWTSDだけでなく他のビジネススクールも検討しましたが、選ぶにあたり3つの条件がありました。まず、ベンチャー企業に身を置いていることもあり、残業も多くハードなため、平日夜に授業があると厳しいと感じました。
次に、QAA認証などグローバルで教育の質が担保されていることを重視しました。
最後に、修士論文があることも条件でした。せっかくインプットするならアウトプットした方がやはり身になると考え、研究成果としてアウトプットすることがより良質な知識の獲得につながると思いました。
Q.講義の感想
シンプルに「面白かった」というのが総論です。先生方は教鞭を取りながらも、特定の領域で実際にビジネスに携わっている方ばかりなので、かなり実践的でした。机上の空論ではなく、先生方がお話しされる実例は非常に実践的で、ご自身のビジネスにおける新しい知見を交えて説明してくれました。例えば、ファイナンスの授業では、M&Aなども実践的に手がけていた先生の体験談を踏まえてファイナンスを学術的に整理するというのが非常に印象的で実践的でもありました。
また、ファイナンスに関しては、大学の卒論とはまたレベルの違う高い質を求められるレポートが出され、得意だと思っていた自信がすっかりなくなりました。ファイナンスの先生は本当にデータに基づいて、「どこからこのデータを持ってきて、どういった分析をかけ、その整合性がどうか」というところまで突き詰めてきます。ただ、学費に対しての投資対効果はすごく高かったというのが実感です。
学習面でのサポートとしては、運営側が工夫してくれた点として、クラスにコーポレート系やファイナンス系など異なる経験を持つ人をバランスよく一定チームに入れてくれます。グループディスカッションで授業を進めるのですが、お互いの得意な授業、苦手な授業をフォローしあうことができました。
Q.入学前後のギャップ
ギャップという点では、授業は比較的座学が中心というイメージを持っていましたが、アクティブラーニングが多いというのがギャップでした。ディスカッションはほぼ毎回、全ての授業でだいたい1回はありますし、アウトプットの機会、グループ発表や個人発表もしっかりありました。もう一つは、年齢と業界の幅が思ったより広かったことです。金融、保険、製薬の人が多いと勝手に思っていましたが、士業の方、弁護士や医師、税理士、上場企業の役員の方など、様々なバックグラウンドを持った方がいて、思っていたよりも多様な方と一緒に授業を受けられたことは良かったです。授業でディスカッションするときは、かなり刺激を受けました。
Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法
課題やレポートが多かったため、学習時間を確保するために規則正しい生活を心がけました。細かなことですが、まず会社のカレンダーに予定を入れ、業務時間外にミーティングを入れられないようにしたり、平日には飲みに行かないようにしたりしました。土曜日の朝から授業があったため、朝に出かけることは2年間ほぼ封印しました。実は、初めのうちは課題やレポートが終わらず、有給休暇を取ることもありました。これはまずいと思い、それからはなるべく授業が始まるタイミングで、最後の課題やレポートなど、どんなアウトプットが必要なのかをシラバスで確認するようにしました。わからないことは授業後に先生に聞けるので、先にアウトプットのイメージを固め、それに向けて勉強しておく予習に切り替えたことで、仕事と授業を両立できるようになりました。
Q.MBAプログラムで得たことや困難
当初の目的だった意思決定の軸、軸足というものには、ある程度自分の中で納得できるようになりました。今までは極端に言うと、「経験上多分これがいいよね」とか「感覚的にこれは危なそう」とか「君がそこまで言うならやってみようか」といった曖昧な意思決定がありました。しかし、その曖昧な経験則をMBAを通じて何かの理論に基づいて整理するという、ある意味ツールを得ることができたので、それは非常に大きいです。困難でいうと、「卒業したら終わりではない」ということです。ビジネスでいうと成果を出し続けなければいけないので、学びはアップデートし続けなければいけないと思います。本当に少し気を抜くと、私もすぐに忘れてしまうので、せっかく2年間で勉強する習慣がついたので、これは継続しなければならないというのが困難というか、意識しているところです。
MBA取得を検討している方へのメッセージ
営業トークではなく本心からですが、悩んでいるのであれば、やはり前に進んだ方がいいと思います。なぜなら、学術的な高い知見から経営を見ていくので、見ている視点は必ず変化があるからです。異なる観点や視座で見れるようになる、ここは2年受講すれば誰もが享受できるものだと思います。ビジネスに行き詰まり新しい観点が欲しいと考えている方、少し頑張ってみようと思っている方、キャリア上必要だと感じている方もいると思いますが、MBAには必ず新しい発見があると思います。実際に私もそういう体験をしましたし、周りもそうなので、やはり悩んでいるのであれば、一歩を踏み出してみてほしいと思います。