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卒業生・学生の声

Voices of graduates

角田圭雄さん

角田圭雄さん
愛知医科大学内科学講座 肝胆膵内科学准教授(特任)
独立行政法人市立大津市民病院理事
関西学院大学大学院経営戦略研究科 医療経営プログラムの非常勤講師
一般社団法人日本医療戦略研究センター(J-SMARC)創設

※掲載当時の経歴です

医療分野を超えて、物事の本質を見極める力、多様な価値観の存在を認識し、生き方そのものが変化。



国内でもっともアカデミックなMBA
MBA取得を考えたきっかけは、勤務していた病院で病院経営・業務改善委員会の副委員長に任命された際に、経営学を基礎から学習したいと思ったこと。さらに、協同研究者の医師がMBAホルダーで、一般の臨床医とは異なる幅広い視点を持つことに敬意を覚えたことが契機となりました。医師のキャリアを中断したくなかったため、国内MBAを選択。ウェールズを選んだ理由は、グローバルMBAであることと修士論文を課していることなどから、国内でもっともアカデミックだと考えたからです。


勤務との両立で苦労も、素晴らしい学びの日々
初めの1年間のGeneralの講義は企業視点の内容で、医療の世界しか知らない私にとってはなにもかもが新鮮な学びでした。医療経営学のプログラムでは、多様な職種の同級生や指導教員と、医療経営について深く議論できたことが素晴らしかった。MBAの学びによって医療現場の問題点を解決したいという情熱を持った多くの同級生から刺激をもらいました。受講した2年間、講義の予習復習と個人課題、3ヶ月ごとの定期試験と、週末をすべてMBAの学習に費やし、医学の学会発表は全く行えませんでした。勤務医との両立で、患者さんの急変で講義中に呼び出されたり、グループ課題の協同作業時間の調整に苦労したり、日々の睡眠時間は4~5時間という状態。しかし、もっとも苦労したのは修士論文の執筆でした。多くの文献を読破して、勤務と並行しながらの執筆は辛かったのですが、その過程で得た知識は血肉となっていますし、教員方の丁寧な指導に感謝しています。


医療現場や病院経営にもMBAの知識が役立つ
仕事との関連においては、病院経営の最大の課題は人のマネジメントですから、人的資源管理や組織行動論などの基礎的なMBAの知識が役に立っています。また、交渉とは相手を打ち負かすのでなくWin-Winの関係を持つことだと学び、チーム医療や医療連携を考える上で参考になりました。製薬企業と共通の言語で話ができることも有益です。しかしそれ以上に、経営学は利益を上げるための学問ではなく、「すべてのステークホルダーを幸せにするための手段」だと理解できたことや、異職種の教員や同級生との出会いは一生の財産です。また物事の本質を見極める力や、多様な価値観の存在を認識し、生き方そのものが変わりました。今後も臨床研究のみならず医療経営学にも携わり、ウェールズで得た知識を活かして、医療に関わるすべてのステークホルダーを幸福にできるよう努めていきます。将来的には医学部の大学院に医療経営学のMBAの講座を開講し学ぶ機会をつくっていくことが目標です。