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コラム

MBA column

2024年1年27日(土)開催 卒業生説明会レポート



国税局に勤務後、MBAを取得して現在は税理士事務所を独立開業され、ますますご活躍されている卒業生にご登壇いただき、 MBAを取得しようと思ったきっかけから取得後のキャリアの変化までをお話しいただきました。説明会の一部内容をご紹介します。
《卒業生インタビュー》MBA説明会を開催します

目次



卒業生プロフィール

卒業生平井様

平井信行 様
国税局出身
平井信行税理士事務所 代表
Yuki H1合同会社 社長(CEO)

大阪国税局で、大手企業等の国際課税を含む法人税・消費税の税務調査や、海外取引に係る脱税企業等の把握・告発関連等の業務に従事。 2021年4月に本プログラムに入学。2023年3月に卒業し、英国MBAを取得。 国税局を退職後は税理士事務所を独立開業、2024年からはコンサルタント業でもご活躍中。

Q.MBAを取得しようと思った理由

私は以前、国税調査を行う国家公務員でしたが、在職時に大規模法人、いわゆる上場企業の調査経験が一番長かったです。 その際に対応する担当役員やマネージャークラスの方がMBAホルダーとして活躍されているのを見て、MBAってどんなところか、そういう話を聞きながら やっぱり経営ってすごく大事だな、自分も企業経営を体系的に学んで今後のキャリアに活かしていきたいなと考えるようになりました。

公務員の仕事においても、企業経営をより深く学ぶことで、様々な観点から見方の違う発想が生まれて、 幅広い考え方が身につくのではないかなと思いまして、MBAを取得しようと思いました。

Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由

まずは、国内MBAか海外MBAか、どちらがキャリアにインパクトがあるかを考えました。 私の場合は、希少価値が高い海外MBAを選ぶことにしましたが、その中でも、UWTSDのMBAプログラムは、 世界各国に分校を置いており認知度も高く、また、認証レベルもQAAという認証で、世界共通レベルであるというところです。 それから、講義が全て日本語で実施されるので、MBAのその本質というか、そういうところの理解を深められるのではないかと感じました。

MBAは言語取得を目的ではなく、学ぶべき本質を優先しているというところがやっぱり大事だと思いましたので、 日本にいながら、このMBAプログラムの提供を受けて勉強できることが自分自身にとって、メリットであるとすごく感じたことから UWTSDのプログラムを選びました。

-平井さんは海外にもよく行かれていて、英語は結構堪能でいらっしゃるんじゃないですか?
専門的な内容は難しいですね、日常会話程度ですね。

-それでも一般の方より英語は堪能でいらっしゃると思うんですけど、それでも日本語で授業の方がいいなと思われたんですか?
そうですね、やっぱり理解の仕方が、英語のフィルターを通さずに直接日本語で理解できるっていうところが良かったかなと思いますね。 有名な講師の方達がいらっしゃいますので、そこの学びを直接吸収したいっていうところが一番にありました。

Q.講義の感想

まず、それぞれの専門分野の講師がMBAのレベルにふさわしい授業を提供していただき、すごく感謝しています。 コロナ前までは東京でのリアル講義を受ける必要があったんですが、オンライン講義は東京に行かず、自宅で講義を受けられるので、 大阪に住んでいる私にとっては、東京への旅費を使う必要がなかったので大きなメリットでした。

講義は、担当講師の方が一方的に授業を進めるのではなく、グループを作って学生同士の交流もあります。 やっぱり各々といろいろ話をしていくうちに打ち解けて発言しやすくなって、活発にディスカッションできる環境を作っていただいたことで、 自分で考える力が身についたなと感じます。

-コロナで日本国内のほとんどの大学の授業がオンラインに切り替わりました。 そこでのメリットというか良くなった点として、質問やディスカッションがしやすくなり、リアルな授業より満足度が上がったという調査もあったりしました。 平井さんはお仕事が税理関係ですので、他の学生の方から質問や相談があったりしましたか?
そうですね、特にアカウンティングの授業では、会計知識を持っている学生の方が少なかったので、 私のわかる限りでお伝えするというか、アドバイスとかそういったことをしたりはしました。

-当然先生はいらっしゃるんですけど、いろんなバックグラウンドを持っている学生の方がいらっしゃいますので、 得意なところは教えあったりされたんでしょうか?
そうですね、やっぱりギブアンドテイクというか、私もマーケティングを体系的に学んだことがなかったので、 学生の方でマーケティングを長年やっている方がいらっしゃったので、そういう方の知見とかを吸収して、なるほどって思うことが多かったですね。 ギブアンドテイクってすごく相乗効果になったなと思います。

-ありがとうございます。平井さんとしては苦手というか学びが大きかった科目はマーケティングなんですか?
そうですね、経営っていうところでは、税務調査でも経営状況とかいろいろ聞いたり見たりするんですが、 経営の裏側というか、どうやって経営が成り立つのかみたいな全体のところだったり、色々な話を学生の方達とざっくばらんにできました。 新たな気づきや視点がでてきましたね。

Q.勉強時間の確保(1日のスケジュール)

月曜日から金曜日までは仕事がありますので、勉強時間をいかに確保するかということが大きな課題でした。 毎週もらう宿題とか課題レポートとか、予習復習の時間を作るために、平日は朝早く起きて出勤前に1,2時間くらい勉強して、 夜は飲み会や残業以外の時はもう1時間程度勉強時間を確保するように心がけていました。

土曜日は授業以外での空き時間に取り組んだり、日曜日は祝日も含めて6時間程度は勉強するように努めました。 常に勉強する習慣を早期につけることができたので、それが良かったと思います。

-朝勉強しようと思ったけどできなかったということはなかったですか?
ありました、ありました(笑)。飲み会のあと朝起きることができなくて、勉強する時間がなかったこともあります。 でも、土曜日の授業でプレゼンするとか、課題を提出するって決まっていると、なんとかしてやらなきゃいけないっていう気持ちでした。 目的意識があればできるものですね。

-ご結婚されていますけど、ご家庭との両立は大変ではなかったですか?
どうしても家族と何かするときは、もちろん家族を優先していましたが、なるべく日曜日は勉強の時間に使わせてくれ!ってお願いしていました。

-特にこの科目を頑張ったなとか、大変だったなとかありますか?
たぶんどの人もおっしゃると思いますが、ファイナンスはすごく大変でしたね。同期でも試験をパスできなくて留年したり、一番大事な科目になりますね。

-直近だと9割の方が2年間のストレートで卒業されていますが、ファイナンスは必須の科目なのでその期間は頑張っていただく必要がありますね。
そうですね、ファイナンスは苦手な方が多いですけど、みなさん理解が早かったです。 すぐに理解していて、すごいなと思いました。

Q.MBAプログラムで得たこと、困難だったこと

授業で学んだ学術的なビジネス理論と実務経験を照合しながら、自分なりに課題を一つ一つ解決していくことで自信を積み上げていくことができました。 あとは、向上心の高いクラスメートとディスカッションやプレゼンを行うことで、新しい発見だったり視点を学んだりして、より深い知見を得ることができたことは このMBAプログラムを学んで得られたものであったと実感しています。

困難だったことは、授業以外のグループワークで同期とディスカッションをするとき、時には長時間にわたりハードでした。 ただ、様々なバックグラウンドを持ったクラスメートと議論して、グループとしての方向性とか意見を導き出せた経験は、 公務員の業務では味わえないような達成感がありました。

修士論文の執筆も、これがまた大変だなと思ったんですが、完成に至るまでレベルの高さをつくづく思い知らされました。 私の修士論文が、英国MBAが認証するレベルに達するのかは最後まで悩みの種でしたが、 担当講師やクラスメートと議論して指摘されたことを何度も修正しながら繰り返し、執筆しなおして論文を完成させました。 この過程も、達成感というか自分の意識を高めて自信を深めることになりました。

-ありがとうございます。ディスカッションはどんなテーマだったんですか?
ファイナンスでしたら、企業の財務分析をするんですが、分析するためには色々な資料を集めてこないといけないので、 どれを使うとか、どういったツールを使ってファイナンスの確たる理論にしていくかというところが大変だったかなと思いますね。

-ご自身が所属してる会社の財務諸表を分析すると思うんですが、そのデータを持ってきて、自分だったらどう業績を再建させるとか、 そういった議論を行うんですか?
そんなイメージです。私の場合は公務員でしたので財務諸表はなかったんですが、他のクラスメートの、例えば製薬会社に勤めている方の 財務諸表を分析して、どこに販売店を出店して事業の収益を上げていくかなどディスカッションしました。興味がある内容でしたし勉強になりました。

今まで仕事としてやってきた調査は現在から過去にさかのぼっていくんですけど、 ファイナンスは今現在の指標から、例えば5年後どうなっているのかなどを想像しながら、もう一度現在に引き直すというものの見方をします。 このような考え方はすごく勉強になりました。

-論文が大変だったとのことですが、どんなテーマで書かれましたか?
コーポレートガバナンスがテーマだったんですが、 税務における不正取引を行った場合の企業コーポレートガバナンスにどのような影響を与えるのかを修士論文にしました。

-大変だったことはありますか?
過去に不正取引をした会社に、どのように改善したかインタビューを行ったことですね。 情報漏洩しないようにと、守秘義務違反を起こさない形でインタビューにご協力いただきました。 インタビュー内容をデータベースとして、不正取引のコーポレートガバナンスへの影響を導き出して修士論文を書きました。

Q.MBAプログラムでの縁からつながった仕事

名刺交換した際にインパクトがあるかなと思い、名刺の肩書に、税理士、CFE、AFP、MEcとMBAを入れています(笑)。 あとは、同期の方からセミナー講師の依頼の話をいただいたり、既存の税理士業のほかに、コンサル業のお話があったり、会社の監査役のオファーをいただいたりしています。

UWTSDのネットワークが、今後のビジネスチャンスを広げていってくれていると感じますし、 MBAの資格がその他の資格との相乗効果を生んでくれています。

Q.MBA取得を検討している方へメッセージ

科目ごとにプロフェッショナルな講師から学びを得て、ビジネスに即実践で活かすことができるというのは大きな強みです。

企業経営を深く学ぶことで、様々な視点が生まれて考え方が広がれば、自分自身の仕事に役立つことはもちろん、それが社会貢献にもつながると思っています。 本日ご参加いただいた方の中には、公務員の方もいらっしゃるかと思いますが、MBA取得を公共の仕事に役立てることは絶対にできます。

勉強は、結構大変です。仕事や家庭と両立しないといけないですが、 同じ志をもった仲間が励みになりますし、しんどいですけど、これを超えれば自分の人生を変えることができると私は思います。

好きな言葉に「時間は有限、努力は無限、後悔は永遠」とありますが、皆さんには後悔のない決断をしていただきたいですし、 ぜひこのUWTSDのMBAプログラムに入学して学ばれること願っています。

質疑応答

説明会参加者の方からご質問を募り、平井様のMBA経験からご回答をいただきました。一部ご紹介させていただきます。


Q.国税局に勤務された平井さんがファイナンスで苦しんだと聞いて、ファイナンスの授業ってそんなに大変なんですか?
A.ファイナンスは日々勉強しないとついていけない感じでした。必修で落とせないので気合いを入れて勉強しました。

-国税局の仕事とファイナンスは関連があまりないのでしょうか?
あまり関連はないですね。アカウンティングのほうが関連があります。 授業でファイナンス分析をするんですけど、どのツールを使って仮説検証を行うのかとか、CFOになったつもりでプレゼンも行いましたが、 自分がやってることがあっているのか、初めは疑心暗鬼に思いながら進めていました。

Q.授業がない期間はどう過ごされてましたか?
A.次の科目のスケジュールと課題をもらうので、先取りして予習していました。

Q.単位を落とした方はいますか?
-統計的には1割くらいなんですが、平井さんの同期はどうでしたか?
A.それくらいだったかなと思います。 授業に出席されていないと厳しいかもしれないですね、出席率が評価されるわけではないですけど。やっぱり参加することでモチベーションが上がりますし、インプット・アウトプットの量が違ってきます。 勉強されたら、された分だけの評価はされると思います。 修士論文は、ファーストマーカーとセカンドマーカーと2人担当がついてくれるので、落ちることはないかなと思います。 指摘されたことをきっちり修正すれば問題ないかなと思います。

Q.MBA取得後に経営者になられたということですが、一番変わったことは?モチベーションを保つ秘訣は?
A.起業と言っても1人社長みたいなものですが(笑)、法人を作ることで周りからの見え方が変わったなと感じます。 個人事業主でやっていたときよりも、法人としてやったほうが信用が上がったと感じます。

-モチベーションはどうですか?
営業活動をしていて、人や仕事のご紹介いただくとうれしいですし頑張ろうと思いますね。 今までは公務員でしたので、お給料をもらって仕事をしていましたが、 今後は自分の努力次第で仕事も収入も変わりますので、頑張っていこうと思います。

Q.ファイナンスで苦労された理由は?
A.ファイナンスは全然知らないわけではなかったんですが、自分がやってきた領域が限られていたのかなと思います。 新たなファイナンスの理論をもっと吸収しなければならなかったのと、ファイナンスを知っている学生ってそんなにいなくて、 その中でも私は割とファイナンスに詳しいほうだと思われていたので、周りに教えるためにも自分がもっと勉強しなければならないと思いました。 聞かれたからには教えられるくらいになろうと思って、頑張って勉強していました。

Q.MBA取得のためにかかった投資に対して、ベネフィットというか得られたものはありますか?
A.これから投資以上のリターンはできると思っています。今の段階でも契約が増えていますし、同期から仕事をご紹介いただくこともあります。 自分次第になるかもしれませんが、ベネフィット的には、十分に応えてくれるものが返ってくるんじゃないかと思います。

-平井さんは色々なご経歴があって起業をされていますが、30代や40代の同期の方はどうですか?
30代、40代の方でもいらっしゃいますね、転職を1回されて、今後は自分で事業をやりたいという方もいらっしゃいましたし、 同期の方ではありませんが、もともと事業をしていて、先日、上場された方もいらっしゃいました。 年代問わず、ご活躍されていますね。

まとめ

平井様は、これまでのご経歴とMBAでの学びを得て、公務員を定年退職後もますますご活躍されています。 一般的なMBAプログラムは30-40代の参加者が多いですが、UWTSDのMBAプログラムはエグゼクティブ層の参加率が高く、 幅広い世代、様々なバックグラウンドを持った学生たちが交流を深め、卒業後もご活躍されています。

平井様、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

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