証券会社勤務後に外資系医療機器メーカーに転職、現在は営業統括部長としてご活躍されている卒業生にご登壇いただき、MBAを取得しようと思ったきっかけから取得後のキャリアの変化までをお話しいただきました。説明会の一部内容をご紹介します。
目次
卒業生プロフィール
村上 猛保様
大学を卒業後、証券会社に入社して営業の基礎を学ぶ。その後バブル崩壊と同時に医療機器分野へ転職。以来30年以上外資系医療機器メーカーで勤務。職種は、営業担当からスタートして営業部、マーケティング部の中間管理職及び上級管理職を経験。現在は、外資系医療機器メーカー営業統括部長として営業部をリード。2020年(10月)に本プログラムに入学。2023年1月に英国MBAを取得。
<経歴>
1988年3月 龍谷大学 経営学部経営学科卒業
1988年4月 国内中堅証券会社入社
1992年11月~2024年現在 外資系医療機器メーカーへ転職、その後、数社の外資系グロバール企業で勤務
担当営業~リージョナルセールスマネージャー(中間管理職)、マーケティング部長、営業部長(上級管理職)
2006年1月 アメリカ本社勤務 (Warsaw, Indiana, USA)
2010年8月 オーストラリア短期留学 (Sydney, Australia)
2016年1月 事業部長
2019年1月 営業本部長(GM=ジェネラルマネジャー)
2023年1月 ドイツ系企業 ビー・ブラウンエースクラップ社にて営業統括部長
2023年1月 英国MBAを取得
Q.MBAを取得しようと思った理由
私はバブル全盛期の1988年に大学を卒業して、その時代、もっとも派手であった証券会社に営業として入社して、そこで営業の基礎を学びました。 その後バブルが崩壊して医療機器メーカーに転職して、今現在を含め30年以上医療機器メーカーに勤めています。末端の営業からはじめて、営業部、マーケティング部の中間管理職、上級管理職を経験し、現在は営業統括部長をやっていますが、学生時代の私は正直全く勉強をしてなかったので、友人達からすると本当に村上が大学院を卒業したの?と言われるくらい、勉強とは縁がありませんでした。 そのような状況で、証券会社に入社して、当時は、根性論で教育を受けて、当分は根性論+経験値のみで仕事をしてきました。しかし昨今の VUCA(ブーカ)と言われる時代の中で、このまま経験値だけで仕事をやっていけるのだろうか?と疑問を持つようになりました。 そこで、今までの経験値をロジックで裏付けることで仕事での説得力が増すのではないかと思い、MBA取得を決断しました。-オーストラリアに短期留学も経験されたのですか?
はい、勉強を全くしてこなかったのですが、仕事柄英語が必要になってくるので短期語学留学をしました。
-語学習得するために留学をされたのですね。
そうですね。短期留学前にアメリカ本社勤務をしていたのですが、その当時の社長に「アメリカにいって、そこで英語に浸かってこい!」と言われ、 ホームステイをしながら日々の業務をこなして、毎日、日本に帰りたいと思っていたのですが、何とか苦労しながら英語とビジネス両方を学ぶ事が出来ました。
Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由
一番の決め手は国際的に通用するMBAプログラムであるということです。グローバルで通用するということは、外資系に勤めている私にとってはとても重要でして、日本のここの大学を卒業したと言っても海外では通じません。そういったことを考えるとグローバルで通じるMBAプログラムであることはとても重要でした。ましてやそれを国内でオンラインで受講できて、私にとっては一石二鳥でした。Q.講義の感想
日本の教育は特にそうだと思いますが、「読む」とか「聞く」とか、そういった一方的な詰め込みで学習をして、それを評価されると思いますが、 MBAの授業はディスカッションが多く組み込まれており、自らが考え自らの意見を発信して、それをチームでひとつの答えを導き出す「アクティブラーニング」は、 今までの受けてきた教育との違い、「これぞMBA!」という実感がありました。-印象に残っている講義はありますか?
それは2つあり、1つ目はリーダーシップ論です。授業は、ゼミ形式でチームを組んで課題に対して毎週発表をしていきますが、そのゼミのメンバーと、仕事が終わった後、夜の8時とか9時頃から初めて長いときは夜中までディスカッションを行い、チームとしての課題をまとめて行く事は、仕事とは違う達成感がありました。
2つ目は、ファイナンスです。みなさん苦労されていると思いますが、私の仕事は営業とマーケティングがメインだったので、 ファイナンスは非常に苦労しましたね!計算とかロジックが難しくて、これもまた夜中までみんなで議論しながら課題をこなしたことを覚えています。 今となってはとてもいい経験だったと思います。
-ご入学されたときは営業の上級部長でしたが、リーダーシップ論での学びは実務と似ていましたか?
経験としては似たところがありましたね。自分がやって来たことがロジックで裏付けされた感覚があります。リーダーシップといっても、サーバント型やトランスフォーメーション型だとか、いろいろな種類があって、何が正しいのか答えはひとつではない!と言うことが 私にとってはすごく印象的でした。普段リーダーシップをとる自分にとっても、人を認めながらマネジメントすることが重要なんだなぁ、ということが授業から得た学びになります。
Q.勉強時間の確保(1日のスケジュール)
仕事をしながらでしたので、時間を作る事に苦労しました。その中で効率よく学習するために、 例えば、課題をどうやっていつまでやるのか決めて、移動時間や休日を有効活用しました。時間的には、休みの日は3時間程度、時には5~6時間やった日もありました。Q.MBAプログラムで得たこと、自己成長
「聞く」とか「読む」とかの一方的な授業ではなくて、アクティブラーニングが学習の定着率が高いと言われていますが、まさにそうでしたね。 それがどう生かされるかというと、営業統括部長と言う一人のリーダーとして、日々多くのディスカッションを業務に取り入れています。例えば、2024年年初に先日行ったキックオフミーティングでは、プレゼンテーションを行いましたが、今までは、経験値だけで話をしていましたが、そこにMBAで習得したロジックを加えたことで様々な人への説得力も増しました。その中には、人事部も参加していましたが、私のプレゼンのロジック部分を今後社内研修等で使用したいとのフィードバックももらいました(笑)。もうひとつは、当該プログラム最終過程での論文ですが、 私のテーマは、「医療機器メーカーの流通チャネル改革~なぜ医療機器メーカーの流通コストが高いのか」、について書きました。これは業界全体の課題の一つであり、業界セミナーなどに参加した際にも、論文の課題をロジカルに発信する事で、意見交換及び交流もでき自分にとって非常にプラスになっています。
Q.MBAプログラムで苦労したことや乗り越えた工夫
仕事をやりながらだったので本当に大変でしたが、その中で何よりも助けられたのは、やはりゼミのメンバーや同期でした。特に「Safari5」(ゼミ名)のメンバーは、歳も違えば経験も違うメンバーでしたが、このチームメンバーとのチームワークには本当に助けられました。このメンバーや同期がいなければ卒業はできていないのではないかと思います。このかけがえのない経験をぜひ皆さんにもしていただきたいなぁと思います。Q.MBAプログラムでの縁からつながった仕事・学友交流
「Safari5」のメンバーとは卒業後も定期的に会って情報交換していますが、やはり、同期との関係性が強くなりますね。また、卒業生が参加する学友会には、弁護士、医者、コンサルの方など、他業種の方がたくさんいらっしゃいますが、業界を超えて情報交換を行えたり出来る事は、自分の人生の幅が広がりますし、いい仲間ができたなぁと思います。このMBAプログラムに参加して本当に良かったと実感しています。これからMBAを目指す方へメッセージ
私は56歳でこのMBAプログラムに入学して現在58歳になりますが、人生において遅すぎることはないということです。すなわち「やるかやらないか?」だけです。現在 MBAへチャレンジを迷われている方がいるならば、今回のこの機会を大切にしていただき決断して頂きたいと心から願っています。質疑応答
説明会参加者の方からご質問を募り、村上様のMBA経験からご回答をいただきました。一部ご紹介させていただきます。Q.村上さんと同業界で仕事をしています。MBAを取りたいと思っていますが、営業職としてMBAを取る価値は何か、教えていただければと思います。
A.営業職といえども、経験値だけでなくて何事においても裏付け(ロジック)が大事だと思うんですね。 ロジックをベースに話をするということは、話の論点の作り方も違ってきますし、説得力でも重要になってくるので、価値があると考えます。
Q.キャリアップ、市場価値を高めたくてMBAを検討しています。とはいえ、もうすぐ係長職に昇進できそうな現状ではありますが社会人経験も短く経営の勉強もしたことがありません。授業でみなさんの足をひっぱらないか心配です。
A. その懸念は全くしなくて大丈夫です。年齢が高かろうが役職が高かろうが、そこにいるメンバーは全員平等です。クラスでは意見が強い人などはいますが、アジャストメントしながら授業は進みますので大丈夫です。ちなみに、私がいた2年間では、30代の方もいましたが、そういったことはまったく心配なかったと思います。
-入学者の平均年齢は43歳ですが、20,30代の方も50,60代の方も幅広くいます。 村上さんが先ほどおっしゃった通り、遅すぎることはないですが、若い人も早すぎることはないですね。
Q.医者で院長をしていますが、大学が医学部だったので経済学や経営学を学んでおらず、みなさんと共通言語で話をできるか、授業についていけるか心配です。
A.全く問題ないと思います。言葉を覚えることが重要ではありませんので、その言葉の意味を追求するわけではなくて、それを使って課題に対してどう考えるか、理論付けして答えを導き出すことが重要になりますので心配はいらないと思います。 むしろ、論文の書き方など私たちよりドクターの方が詳しいのではないのかなと思います。
まとめ
本MBAプログラムは幅広い年齢層、役職、業種の方が参加されています。 キャリアアップという同じ目的・同じ熱量を持った仲間ではありますが、 違うバックグラウンド持った仲間との交流は、学問の学びだけでなく自分の常識が広がり、人生の経験値があがる出来事でもあります。村上様、ご参加された皆様ありがとうございました。
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