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コラム

MBA column

2024年2年12日(月)開催 卒業生説明会レポート



大手監査法人、大手人材派遣会社での点と点だったキャリアをMBAで繋ぎ、現在は大手日系保険会社の人事企画でご活躍されている卒業生にご登壇いただき、 MBAを取得しようと思ったきっかけから取得後のキャリアの変化までをお話しいただきました。説明会の一部内容をご紹介します。
※終了※2024年2月12日(月)開催《卒業生インタビュー》MBA...

目次



卒業生プロフィール

S・Y 様

<経歴>
2009年9月 大手監査法人入所
2011年9月 大手人材派遣会社 入社(経理・財務)
2014年11月 人事へ異動
2018年10月 ビジネススクール入学(英国国立大MBAプログラム)
      英国MBA取得(2022年2月) 
2019年4月 課長へ登用(人事)
2023年10月 大手日系保険会社 入社(人事企画) 


Q.MBAを取得しようと思った理由

MBAを取得しようと思ったのは、大手監査法人に入所して2年で辞めて、監査法人で培った経験と資格を活かそうと思って人材派遣会社の経理に転職しました。 そこで、ひょんなことから人事に異動することになりました。私の中ではずっと経理をやっていくと思っていたところに、人事というキャリアチェンジが挟まってきました。 人事も面白そうな仕事だったんですよね。制度改定を行うという仕事にアサインされたので、やっているうちに、人事の仕事が楽しくてのめり込んでいきました。 そのまま人事を続けて今に至るんですけど、その途中で、自分の市場価値ってどうなっているのかと思うようになりました。

経理をずっとやっているスペシャリストのほうが、中途半端に経理をやっている人よりもいいでしょうし、人事も同じように感じました。 人事を長年やっている人のほうが中途半端に人事をやってる人よりいいだろうなと思うと、自分の市場価値が弱いんじゃないかと感じました。

そんな時にこれを強みに変えられないかと考えて、 経理は「カネ」で人事は「ヒト」だと思って、ヒト・モノ・カネといったら経営じゃんといった考えに至りました。 経営資源に関する重要な3つのうちの2つに関するそれなりの知見を持っているということを言えれば、ヒトだけのスペシャリスト、カネだけのスペシャリスト にも負けないキャリアだと思って経営学を学べるMBAを取ろうと決意しました。

-ご結婚されていますが、ご家族の反応はどうでしたか?
妻が妊娠中で子どもが産まれる前だったので今しかないと思いました。2~3年で卒業するとして、その時に子どもが2,3歳になるので、ちょっとお願いできませんかという話を妻に して、快くいいよって言ってくれたのでMBAに飛び込みました。

Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由

他も検討しましたが、UWTSDに決めた理由は、論文があるということが僕の中では重要でした。 入学前に、論文執筆が大変であるということは説明していただきましたが、大変だからこそやろう!と思いました。 監査法人に勤めていた経験の話に少し戻りますが、元々、公認会計士の資格を取ろうと勉強していました。 結局、資格は取れなかったんですが、その経験がありました。MBAは資格ではなくて学歴ではありますけど、 楽して取るより苦労して取って自信に繋げたほうが、お金と時間をかける価値があると思って決めました。

-論文が決め手だったんですね。
卒論を書いたことはありますが、単位を取るために書いたようなものだったので、実質経験ゼロだったんですね(笑)。 そのため、本物の論文というか本気の論文を書いたことがなかったので、どれくらい大変かもまったく想像できなかったです。 とにかく大変だというお話は聞いていまして、じゃあやってみよう、というドМの精神みたいなものがありました。 人に自慢するようなものではないと思うんですけど、でもやっぱり自分の中で自信に繋げたかったので論文がある大変なスクールを選びました。

Q.講義の感想

どの講義も脳に汗をかいて授業を受けていた感じなんですけど、 私は単科で始めさせてもらったんですが、初めての授業がヒューマンリソースマネージメントだったんです。 自分が人事でしたし接点がある内容だったので授業も楽しくて、毎週土曜日が来ることを楽しみにしていました。

ただ最初のうちは、先生の話だけを聞く学生みたいな授業の受け方をしていて、学びを吸収しきれていない、もったいない感じがある気がしていました。 授業を受けていく中で、クラスメイトの経験を聞くことで、そういうシチュエーションだったらそういったことも考えないとなとか、 色々なことが様々な角度から吸収できるようになっていき、授業の受け方というか、取り組み方みたいなものがわかって、だんだん力に繋がっていくようになりました。 授業自体はとても脳に汗かく大変な授業だったんですけど、そこに自分のチューニングみたいなものに少し時間がかかったことを覚えています。

-授業の受け方が変わったきっかけがあったのでしょうか?
ケーススタディをたくさんやる中で、私の場合は俯瞰した立場で見てしまっていて授業に前のめりになっていないということに途中で気づきました。 ディスカッションの中で、ケースの主人公だったらどうするかを考えるようになり、さらに、クラスメートの経験から自分とは違う角度の意見を聞いた時に、 これはまさに仕事と同じだなと思えてきました。 仕事も、自分がこうだと思ったことでも他の人は違う意見だったりします。授業もまさにそんな感じで、違う意見と触れてディスカッションすることで だんだん力に繋がっていくようになりました。

-最初は客観的というか学問的に学んでいた感じでしょうか。
そうですね、初めは正解があると思って取り組んでいたんだと思います。こういう時はこれに気を付ければいいよねみたいな正解があるように考えていました。 でもみんなの意見全てが正解なので、結局全部の意見の中でどれがベストなのかを考えていると脳に汗をかくようになっていって、 それがこのMBAという授業の醍醐味というか、実務にも活きてくる部分になりました。

Q.勉強時間の確保(1日のスケジュール)

土曜日に出た次の授業の課題は日曜日にやると決めていました。時間にすると少なくても日曜日は8時間くらい使っていました。 平日はとても勉強できるとは思わなかったので、だから単科で始めたということもあります。

Q.MBAプログラムで得たこと、自己成長

一つ目は主体性ですね。ケーススタディの話でも触れましたが、のめり込んでやることが重要です。 クラスの中には、先生を捕まえて積極的に質問ができる主体性のある方がたくさんいらっしゃいました。 その方たちはもちろん、授業で質問ができるくらい考えて先生に質問をしているわけで、私も同じくらい前のめりになって授業に参加するようにしていました。 それは結局、仕事でも同じことを求められるわけなんですが、MBAプログラムで主体性が身につきました。

二つ目は論文執筆で得た論理的思考です。 論文を執筆してみてわかりましたが、 問題提起をして、それに対して仮説を構築して、それを証明するために分析して、最終的な結論というのを分析します。アプローチを含めきちんと文章にするわけです。 加えて言うなら自分の論文の弱点もそこに書かなければならなくて、自分はこういったアプローチで分析したからこういった観点に関してはまだ何も答えを出せていないという、自分の分析に対する弱点まで書きました。

仕事をする上でロジックが全てではないですが、論理的思考は基本的なコミュニケーションとしてすごく大事にされていると思うんです。 仮説を立てて立証してみたいなことをこんなに丁寧にやることは仕事ではないと思います。そもそも仕事ではこれらを教わる場がないです。 そこで論文という学術的なアプローチを使って論理的思考に関する知識というか補強みたいなことがされました。 これを得ることができたのはとても大きいと思います。

-人事の仕事で、MBAでの学びを活かせたことはありましたか?
制度設計する際に活かせていますね。例えば、定年後のキャリアとか働き方といったものに関する制度設計をするとします。 毎年何人の定年者が出るかを現状分析からやって、このままこの人たちが全員定年を迎えていって今の制度を適用したら何歳まで働くのかという仮説を立てます。 そして、会社にとってこの制度が得になるのか損になるのかを、さらにシミュレーションします。 ですので、結構どの場面でも論文のアプローチは当てはまると思います。

Q.MBAプログラムで苦労したことや乗り越えた工夫

苦労したことは、やはり論文なんですけど、工夫はないですね(笑)。 論文はテーマ決めに苦労したのですが、みなさんここにつまずくんですよね。なんでつまずくかというのは、分析できるテーマ設定をしなければならないんですよね。 分析をして結論を出せるようなテーマ設定をしなければいけないので、漠然としたテーマだと論文には向かなくて、テーマ決めは本当に大変でした。

私の場合は週1でゼミの人たちと進捗報告をし合って、ここまでやりました、こんなことを考えています、ということを報告していました。 先生から、それだと分析できないからテーマが難しいのではないかとかそういったアドバイスをいただきながら、右往左往しながらテーマを決めました。

ゼミの先生が週1で時間を設けてくださりましたし、家族も時間を作ることに協力してくれていたので、 ここまでお膳立てしてもらったのであとはやるしかないと、工夫というか気合と根性で頑張りました。

-会社にはMBAを取得することを伝えていましたか?
公式には伝えていませんでした。上司には、結果的に漏れて伝わっていたので知られていたんですが、 とにかく仕事が忙しかったので、もし上司から理解を得られなくてもどうにかなるように単科で始めることにしました。

Q.MBAプログラムでの縁からつながった仕事・学友交流

単科で始めたので、26期~28期にまたがって多くの人に出会うことができました。 そこで知り合った方とSNSのグループを作って、定期的に飲み会も開催しています。 そのSNSグループに新たに卒業生も加わって、グループが大きくなっていって、卒業した後も新しい卒業生と出会う場になっています。 みなさんと話すとすごく刺激を受けます。こういったことを始めたよ、とか変化がある人が多くて、こっちもやる気になっちゃうみたいなことが学友仲間とはあります。

仕事とまでは言えないかもしれませんが、縁があったこととしては、 学友の交流がきっかけでもあるんですけど、大学の非常勤講師として、授業で人事の実務の話をしてほしいと依頼をいただきました。

これからMBAを目指す方へメッセージ

MBAに興味がある方は、いい意味で珍しいというか、やる気があって意識が高い方だと思います。 興味があるならぜひ、やってみてほしいなと思います。やって後悔することや損をすることはないんじゃないかと思います。 お金と時間を投資しないといけないところは大変ですが、やってみて無駄だったと思ったことは私は全く無いです。 やってみてよかったとしか思ってないので、ご興味があるならぜひ挑戦してみていただきたいです。

質疑応答

説明会参加者の方からご質問を募り、笹井様のMBA経験からご回答をいただきました。一部ご紹介させていただきます。


Q.経営学についてこれまで本格的に学ぶ機会がなく、大学も理系でしたが、授業についていけるか心配です。
A. 大丈夫だと思いますよ。もちろん苦労する場面もあると思いますが、理系だから強い場面もあると思います。 私が記憶している中で、経営学を学んだことがない方もたくさんいらっしゃいました。その方たちが苦労していたのはファイナンスの授業でした。

私は会計士試験のときに勉強していた領域と重なっていたので、基礎知識は持っていてあまり苦労はしませんでしたが、 同じチームの方で経営学をやってこられなかった方たちは苦労されていました。

でも、事務局の方が考えて決めているのかもしれませんが、授業のチーム分けがよかったです。 チームに分れてテーマを進めていきますが、 そのチームの中に、だいたい詳しい人がいるんですよね。僕のチームは大学で経営学を教えてる先生がいて、 その方がわからない人に対して第二の先生みたいに教えたり、フォローしてくれました。 他のチームには大学の先生はいないかもしれませんが、わかる人が教えてくれる環境があると思います。

Q.完全に英語の海外大学院へのオンライン留学も検討しています。 日本語の大学院にしてよかったこと、また、英国MBAを持っていて英語を期待されることはありますか?
A. 英国MBAを持っていて英語を期待されたことはないです。 僕は英語が話せないので、英語を求められるところに近づかないような行動をとっているんだと思います。 例えば、転職活動するにしても英語力中級を求められるところには応募しません。 逆に、英語を活かしていきたいと考えられるなら、海外の大学院でもいいと思いますしUWTSDでも悪くないと思います。 宣伝とかではなくフラットに聞いていただけるとうれしいのですが、 英国MBAを取って英語を話すことが期待されるだろうと思って、英語を勉強される方もいます。 私みたいに英語はお手上げの人以外で、英国MBAを持っていると英語を話すことを期待されるから英語を話せるようにならなければと 思う人は、どっちみち英語を勉強されるほうに寄っていくのかなと思うので、UWTSDでもいいですし海外の大学院でもいいのかなと思います。 期待されるかで言えば、期待されるほうにいかなければ期待はされないです。

-履歴書にUWTSDのMBAと書かれていますか?
私の場合はちゃんと日本語プログラムとまで書いています(笑)。誤魔化す必要もないですし、場所も新宿(※)で受けたんですよとお話しています。
※現在は完全オンラインとなっています

-周りに海外の大学を出た方や英語が話せる方はいましたか?
学友の中でですよね?英語を話せる方がたくさんいて驚きました。私は日本語しかできないから日本語プログラムを選択したのですが、 英語を仕事でも使っていて、多国籍の社員がいる環境で働いている人もいました。 英語を話せるのにUWTSDに通われているので不思議な感じもしました。英語でも授業を受けられそうなのに日本語で授業を受けているですか、と思うような 方はいました。

-その方たちがどうして本校を選ばれたのか理由はご存じですか?
あまり覚えてないんですが、海外留学で取るような時間もお金も状況も無いけどイギリスのMBAを取れるからといった理由だったと思います。

まとめ

人生やキャリアは、その人の考え方や行動によって大きく変わり得るものです。笹井様は、過去の経験を成長と学びの機会として捉えてMBAを取得されました。 ポジティブな考え方と行動力を持ちながら、新たなチャレンジに臨むことでより充実したキャリアと人生を築かれています。

笹井様、ご参加された皆様ありがとうございました。

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