2024年9年21日(土)開催 卒業生説明会レポート
国税局に勤務後、MBAを取得して現在は税理士事務所を独立開業し、コンサル業を主とした法人を設立するなど、ますますご活躍されている卒業生に『学びが即実務に活かせる』MBAの学びについてお話を伺いました。説明会の一部内容をご紹介します。
目次
卒業生プロフィール
平井信行 様
国税局出身
平井信行税理士事務所 代表
Yuki H1合同会社 社長(CEO)
米国マサチューセッツ州立大学大学院 フィナンシャルアカウンティングMBA講師
大阪国税局で、大手企業等の国際課税を含む法人税・消費税の税務調査や、 海外取引に係る脱税企業等の把握・告発関連等の業務に従事。 2021年4月に本プログラムに入学。 2023年3月に卒業し、英国MBAを取得。 国税局を退職後は税理士事務所を独立開業、 2024年からはコンサルタント業でもご活躍中。
Q.MBAを取得しようと思った理由
当時、私は大阪国税局で国税調査をする国家公務員として、大規模法人の調査を担当していました。その際に対応する担当役員やマネージャークラスの中にはMBAホルダーの方がいて、活躍されている様子を目の当たりにする機会が多くありました。 その経験から、私も企業経営を体系的に学びたいと考えるようになりました。今後の仕事への活用だけでなく、公務員という立場でも、企業経営をより深く学ぶことで様々な観点から物事を見る力が養われ、より幅広い考え方が身につくのではないかと考え、50歳前後から本格的にMBA取得を検討し始めました。
Q.ウェールズ大学トリニティセントデイビッド(UWTSD)を選んだ理由
MBA取得を考えるにあたり、国内と海外のプログラムを比較検討した結果、私は希少価値から海外MBAを選択しました。特にUWTSDのMBAプログラムは、世界各国に拠点を持ち認知度が高く、また英国の教育認証機関QAAの認定を受けているため、世界共通の質の高い教育水準を保証しているという点に魅力を感じました。 さらに、講義が全て日本語で行われることも大きな特徴でした。英語での学習も選択肢としてはありましたが、言語の習得ではなく、経営を学ぶという本質に焦点を当てたいと考えました。日本にいながら質の高いビジネス教育を受けられることは、私にとって大きなメリットでした。
Q.講義の感想
講義はWeb会議システムを活用したオンライン形式で実施され、必修科目4科目と選択科目2科目の計6科目を1年半かけて学ぶカリキュラムが組まれています。各分野の専門教授による講義は、MBAにふさわしい高度な内容で構成されていました。 私が入学した時期はコロナ禍の影響でオンライン化が進んでいましたが、大阪在住の私にとって、通学時間を学習時間に充てられるオンライン形式は非常に大きなメリットとなりました。 また、講義は講師からの一方通行の知識伝達に留まらず、グループワークを通じたクラスメイト同士の活発な交流も重視されていました。オンラインでありながら、受講生が積極的に発言でき、充実したディスカッションが展開される環境が整えられていたことで、多角的な思考力が培われていったと実感しています。
Q.入学前にもっていたイメージと入学後のギャップ
入学前は企業経営を体系的に学ぶという典型的なイメージを持っていましたが、実際に始まってみると、新しい理論や学び方に触れることで、予想以上に視野が広がりました。 一方で、仕事と学業の両立という面で想像以上の難しさがありました。特にメンタル面での負担は予想以上に大きく、これが入学前後での大きなギャップとなりました。
Q.土曜日受講、予習・復習などの時間確保のためのタイムマネジメント方法
入学を検討されている方の中には、ご家庭がある方も多いと思います。学業を始めるにあたって、まず家族の理解と協力を得ることが不可欠です。また、限られた時間の中で効率的に学習時間を確保するため、綿密なタイムマネジメントが重要になってきます。 私の場合、土曜日は授業に参加し、その後も学習時間に充てていました。日曜日は特に朝の時間帯を活用し、集中的に学習を行いました。また、週1回程度の飲み会は継続していましたが、試験前は参加を控えめにするなど、メリハリをつけた時間管理を心がけました。適度な気分転換も学業との両立には必要だと考え、社交の機会を完全になくすことはしませんでした。 重要なのは、こうした日常生活とのバランスを保ちながら、週単位での学習習慣を確立することです。仕事と学業の両立は簡単ではありませんが、継続的な学習習慣を築くことが、プログラムを修了する上で最も大切だと実感しています。
Q.MBAでの学びを最大化するため、受講するにあたって心がけたこと
このMBAプログラムを通じて得た最大の学びは、職場での実務経験と講義で学んだビジネス理論を結びつけることでした。理論を実践に照らし合わせながら理解を深め、一つ一つの課題解決を通じて自信を積み上げていくことができました。 また、毎週の予習復習を欠かさず行い、向上心の高いクラスメイトとのグループディスカッションやプレゼンテーションに積極的に参加しました。この過程で、新たな気づきや視点を得ることができ、それが学びをより深いものにしていきました。 講義時間外でも休日や仕事後にオンラインでディスカッションを重ねました。時には深夜に及ぶ熱心な議論となりましたが、多様なバックグラウンドを持つクラスメイトと納得するまで意見を交わすことで、公務員としての経験だけでは得られない、新鮮な視点と達成感を味わうことができました。
Q.MBAが実務で活かされていると感じる部分
在職中は、MBAで学んだファイナンスやアカウンティングの知識を税務調査に活用することができました。特に企業の海外進出案件では、税務上の観点から新たな視点で分析できるようになり、より深い調査が可能となりました。 独立後は、MBAでの人脈が大きな財産となっています。同期や他期の方々とのつながりから、セミナー講師や財務コンサルティング、上場企業の社外監査役など、多様な仕事の機会をいただいています。また、同窓生である経営者から顧問税理士としての依頼もいただきました。 さらに今年からは、米国マサチューセッツ州立大学大学院でフィナンシャルアカウンティングの講師も務めています。これもMBAホルダーとしての経験が評価されての機会です。このように、MBAで得た知識と人脈は、私のキャリアに想像以上の価値をもたらしています。
MBA取得を検討している方へのメッセージ
本プログラムの特徴は、各分野のプロフェッショナルな講師陣による指導です。私は公務員でしたが、ビジネススキルを大きく向上させることができ、現在の起業後の実践でもその学びを活かすことができています。また、公務員の方々にとっても、企業経営を学ぶことで業務への新たな視点が生まれ、より広い考え方が身につくと実感しています。 印象深い思い出として、今年7月にイギリスで行われた学位授与式があります。広大な芝生の会場で、ガウンを着て副学長から一人ずつ証書を受け取り、最後には参加者全員で帽子を投げ上げる伝統的なセレモニーも行われました。この経験は一生の思い出となっています。 MBAの取得は決して容易ではありませんが、だからこそ人生を大きく変える機会となるはずです。私の座右の銘は「時間は有限、努力は無限、後悔は永遠」です。悔いのない決断をして、このMBAプログラムで学ばれることを心より願っています。